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「不快」とは・・・

 今日は一足早い初夏の気温でしたが、明日からドンヨリ、じめじめになりそうです・・・

 特別養護老人ホームに入所中の女性が、原因不明の微熱が続いて(もちろんPCR検査はしてます)入院されたのですが、そのうちに食欲もなくなり、結果生気も失われ、入院から2か月後には、主治医から、療養型病床への転院を進められてしまいました。施設にいた時は、あんなにスタスタと歩いて、ハキハキと喋ることができていたのに、とショックでしたが、今後の方針を話し合うカンファレンスで、特養の看護師が、最悪看取りになったとしても戻ってきてもらいたいという姿勢を見せてくれて、そうしたらどうしたことか、その3週間後にはご本人の食欲が戻り微熱もなくなったと報告がありました。

 「〇〇さん、お元気なんですよね」と尋ねると、若い看護師は、思わず「フェッ」と小さな笑いを漏らして「お元気ですよ」と答えてくれました。多分、その小さな笑いは出すべきではなく、「笑うとは失礼な!」と叱られてもしょうがないように思いました。が、わたしは、退院して特養に戻れることになったのでとても機嫌が良かったし、元気なご本人が病棟の看護師の手を焼かせている様も想像できたので、「笑っちゃうくらい、お元気ですか」と、小さな釘を刺すに止めました。小さすぎて釘とは気づかないかも知れませんが。

 他者に不快感を与えてしまうことってあります。自分はそれでは不快にはならないけどな、という場合もあれば、思慮が浅かったり咄嗟のことでうっかりしてしまう場合もあります。ただ、不快な言動への抗議に、不快な言動で対してしまうと、不快が雪だるま式に大きくなってしまいそうです。

 わたしは、タバコの煙がめっちゃ嫌いです。幼児の頃、ハイライトを吸う父に、ほっぺにほっぺをスリスリされていましたが・・・道端でタバコの煙をくゆらせている人の横を通り過ぎるとき、手で扇ぐ仕草をしてしまう時があります。このご時世、大阪市中央区の(要は人通りの多い)公道でタバコを吸うのは、やっぱり時代錯誤の不快な行動のようには思うんですよね。でも、それに対して、嫌みったらしい動作をするわたしも、別の不快な行動をしていますよね・・・

 「不寛容」という言葉を最近よく見かけますが、「人が!」ではなくて、「自分も?」と省みなくてはいけないなと、つくづく思います。こんなストレスが多い状況で、どれだけ心の余裕を持てるかが、人間としての力なのでしょう。

 とにもかくにも、療養型病院へ行かずに済んだことは万々歳です。やはり病院は生活する場所ではないので、できるだけ避けたいです。それが、ご本人の希望でもありました。お元気な時に、念のため、医療についての思いを聞いておくことは、やはり助けになります。

 

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