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診断書の怪

  数年前に任意後見契約を締結した方が、しばらく前からキャッシュカードの暗証番号を忘れたり、しょうがないので銀行の窓口でお金を下ろそうとすると印鑑が違っていたり、通帳もあるはずの引き出しになかったりで、そろそろ効力を発生させましょうということになりました。

 任意後見監督人選任申立です。

 そのためには、家庭裁判所で定められた様式で「診断書」を医師に作成して貰う必要があります。初診で精神科を受診したところ、長谷川式スケールで23点あり、認知症だとしても軽度と思われましたが、画像診断などから「成年後見相当」との意見が出されました。もしかしたら医師は、今回の申立が「任意後見監督人選任申立」と知って、本人の行為能力制限がないことを理解していたのでしょうか。これまでの経験では、精神科の医師は、どちらか迷うような場合には「後見」よりも「保佐」、「保佐」よりも「補助」を選ぶような気がしており、それは、成年後見制度が本人の権利を制限するネガティブな面に注目している(従前の禁治産制度のイメージが強く残っている)からだろうと思っていたので、そんな風に推測しました。

 「怪」は大げさかも知れませんが、医師が作成する診断書のばらつきには、困惑することがあります。もちろん専門職ですから、個々の医師の独立した診断があるのは当然のことですが・・・しかし、同じ患者でも、医師によって大きく異なる診断結果がなされたことがあるのです。

 成年後見制度利用促進の議論においても、診断書のあり方については一つの課題として認識はされていますが、どうなることやら。お医者さんたちに、成年後見制度用の診断書作成について、一定程度の共通認識を持って貰う手立てが取れないのなら(研修とか絶対無理でしょうしね)、生活上の実際を家庭裁判所に伝えるソーシャルレポートのようなものを診断書に代えないと、利用促進は図れないと思ってます。「診断書を取る」というプロセスが障害となることが多いのです。

 そんな簡便に成年後見制度の利用を開始していいものか?という疑問も当然でてくると思います。制度そのものを、もっと柔軟で、誤解を恐れずに言えば気軽に使えるものに変えることも同時に検討すべきです。今、全国で進めようとされている「促進計画」はそこまで踏み込んだものではないですが・・・ 

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