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後見人のキャッシュカードの限度額引き上げ

 成年後見人の銀行での手続は未だ色々で、私たち後見人の立場からは不満がいっぱいです。その一つは、取扱支店でしか出金や振込ができないと言い張る銀行があること。なぜなのか、合理的理由が分かりません!!

 また、成年後見人にはキャッシュカードは発行できない、と言い張る銀行もあります。窓口でしか取引させないのです。なぜなのか、やはり理由が分かりません。キャッシュカードという物が、口座名義人以外が勝手に使用するリスクが高すぎる代物だと言うのなら、キャッシュカードそのものをなくすべきでしょう。

 そんなこんなで、私たちは不満たらたらで、しょっちゅう銀行の悪口を言っています。

 で、先日わたしはメガバンクMにある成年被後見人の口座のキャッシュカードの出金限度額引き上げを行うことを試みました。

 取引支店は片道30分の駅前にあります。普段の50万円までの出金や振込は、幸いキャッシュカードは発行されているので、事務所近所の支店でも用を足すことができました。しかし、この度家裁から後見人報酬の付与決定があったのですが、50万円を超えるため、キャッシュカードでは出金できないことに気付いたのです。そして、取引支店に電話して聞いたところ、窓口での出金は、取引支店のみで可能とのたまいます。

 ちなみにこの報酬額は、ウェブサイト上の「報酬のめやす」にぴったり合致した金額です。

 ご本人は施設に入所したため、取引支店近くへ出向く用事は全くなく、ようやく付与された報酬をどのように受領したものか、ミセス家計簿と相談した結果、「そうやん!キャッシュカードの上限額を引き上げたらいいんやん。ホームページには『お近くの支店で手続できる』と書いてるし、行ってくるわ」と作戦を決定しました。

 フロア案内の女性に「キャッシュカードの出金額の引き上げです。成年後見人です」と説明したところ、実は「取引支店に行ってください」と言われるのを半分覚悟していたにもかかわらず、届出用紙を準備してくれたので、小さなガッツポーズをして書き込みました。

 でも、用紙を提出してからは30分以上待たされ、その間ずーっと、もしもこの期に及んで取引支店へ行けと言ったら思いっきり文句言ったると身構えていたのですが、窓口の若い女性ではなく、後方の中堅どころ男性が出てきて、「取引店に連絡をしたところ、慎重に判断するようにとのことでございまして、これまで多額の出金はないようですが、上限額の引き上げが必要ということでしょうか」と慇懃無礼に尋ねてきます。「家裁で報酬が出て」と言いながら審判書でも見せたら、きっと喜ばれたことと思いますが、「ええ、50万円以上の出金が必要ということです」と返答すると何か言いたそうにされながらも、「では後見人の届出の際の筆跡と比較させていただきます」と来ました。二年ほど前に取引支店に出した届出用紙がファクスでも受けたのか、男性行員の手元に見えます。

 何を恐れてそんなにビビっているのか、さっぱり分からないけど、いつもの調子で殴り書いたら同じ筆跡だと判明したようで、結果、無事上限額は200万円まで引き上げられました。もちろん、その後すぐにATMで報酬額を出金したことは言うまでもありません。

 なあーんや、やっぱりやれば出来るんじゃん、ということと、今回得た教訓は、キャッシュカードを作った段階で、上限額の引き上げを行っておくべきだったということです。きっと嫌がられるんだろうけど・・・

 しかし、後見人が就いたからと言って、警戒する必要性がどこにあるのか、さっぱり、やっぱり分かりませんね。後見人が不当なお金を出金したって、通常の取引と同じ手続を取っていれば金融機関に落ち度はないと思いますが。それよりも、多くの善良な後見人の利便性について考えて貰いたいです。

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