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短冊の願い事

 見守り契約遂行中の女性に会いに、有料老人ホームを訪れました。七夕に際して笹を作って、皆さんが願い事の短冊をつるしたそうなのですが、面白い短冊があったとのことで、早速笹が飾られているフロントへ一緒に行きました。

 「日帰りで、行ってみたいな、天国に」

 確かにクスッと笑えます。高齢の方が作ったと思うと、何だかシュールで、死に対する達観と、同時に抵抗が込められている気がしました。

 わたしの見守り契約の相手である女性の短冊には、平和を願う気持ちが率直に綴られていました。大阪市内で少女時代を過ごされていて、自宅のすぐ近くまで焼け野原になったことや、空襲で友人が亡くなったことを話してくださり、「二度と戦争はいやです、怖いです」と仰います。

 両親は田舎育ちのため、戦前生まれではありますがリアルな戦争の話をきいたことがありません。後見業務を行ったことで、戦争体験をしたご本人から話を聞く機会がこれまでにも何度かあり、それが自分の身に起こったことだとしたら、と考えます。人生の先輩の話を聞けるのも、後見業務の妙味です。

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