4親等内の親族
法定後見の申立は、「本人、配偶者、4親等内の親族・・・ができる」と民法7条で定められています。
先日相談に来られたのは、グループホームに入っている認知症の女性の、亡くなった夫の、兄の配偶者でした。遺産分割協議を行う前提として、その女性に成年後見制度の利用が必要と助言を受けられて、当事務所を訪問されたのです。
法定後見申立を前提にお話をお聞きした後、はて?申立は誰が?と考えると、今面前におられる、ご本人の亡き夫の兄の配偶者は、4親等内の親族ではないような・・・ご本人と相談者との関係には「婚姻」が二度入るので違いますよね~親族は、民法725条で定義されています。6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族、と。
ご相談者の夫=ご本人の亡き夫の兄が2親等の姻族で、申立できるので問題はありませんが、ちょっとうっかりしていました。
この件は、ご本人を取り巻く皆さんが納得された上で申立をしたいとのことでした。申立をするには、申立権者が一人いればよいのですが、現実の事務を円滑に運ぶには、やはり周囲の皆さんの了解があることが望ましいのは事実。ご本人の生活に支障があるわけでないのなら急ぐこともないでしょう。
相続手続は、法定後見の申立動機の18%弱を占めています。本人の利益ではありますが、必ずしも本人のために必要な場合ばかりとも限りません。相続手続をしなくても生活が成り立っている場合もあります。ただ、さらに新たな相続が開始したりすると、話がややこしくなるという、関係者全体のコストの問題はあると思われるので、その点説明をしておきました。