業務と会務
年の瀬もここまで押し詰まって、鼻セレブがどんどん消費されている!子供の頃は、学校が休めるという理由で風邪を引くのもまた一興だったけど、大人になったら、寝込んだしわ寄せは全部自分で引き受けなきゃならないので、何とか鼻風邪で踏みとどまろうと必死です。
訪問頻度が契約書に明記されている任意後見契約の本人の訪問。前にも書きましたが、毎月一度は行かなければ債務不履行!になります。風邪気味の身としては遠慮すべきかとも思いましたが、手を洗ってマスクをしとけば許される、と決行しました。
耳の聞こえがかなり悪くなっておられるので、聞こえやすい耳の側に座りますが、わたしもちょっとかすれ声で低音になっていて、なかなかこちらの言ってることが聞き取れない様子。「エキデン」は伝わるのに、「マラソン」は色んな高さで耳元で話してみても伝わらなくって、「マ行」が聞こえづらいのかな、などと、素人診断をしてしまいました。
テレビ画面を一緒に見ながら途切れ途切れの会話をしていたら、あっという間に時間が過ぎてしまいます。「今日はこれで失礼しますね」と言うと「忙しいんやね、彼氏待ってるもんね」と、いつになくくだけた言葉が返ってきて、今日はとても上機嫌、という介護職員の話の通りだな、とほこっり気分で施設を後にしました。これで、今年の業務は終わりです。
しかし、会務はまだ残っています。
わたしの中では、請求書を発行できる、司法書士としての仕事は「業務」。業界団体のお役目でやんなきゃなんないことは「会務」と分別しています。こちらは、いくばくかの日当や手当、場合によっては講師料や原稿料の形で、経済的に報われることになりますが、費やした時間や負う責任に相応かといえば、決してそんなことはありません。多いんじゃなくって、少ないんですよ。モチベーションは他の所にあるからこそ、こうした会務もやっていられるわけですが・・・ 会務は業界全体の利益のためにあるわけで、その負担はできるだけ多くの業界人で分け合うのが本筋かと、年の瀬に物思いに耽るのでした。