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遺言はありませんか?の問い

 子のない夫婦の場合、片方が亡くなると、その相続人は残った配偶者と亡くなった人の兄弟姉妹(先に死亡していれば甥姪)になります(もちろん、親が生きていれば親と配偶者ですが)。遺言を書く必要性が高い例として、よく取り上げられます。

 子のない夫婦の夫が亡くなり、夫婦共有の自宅について相続登記をしたいという相談を受けました。司法書士にとって、とても一般的なよくある相談事です。相続人には、全く音信のない甥と姪がいました。さて、どうするか?ということで、取りあえず郵便で連絡を取ってもらったのですが、音沙汰なし・・・ 困ったなー、遺産分割調停を使う?それとも?と相談していたら、依頼者が「二人で約束してただけやから・・・」とつぶやきます。「それは何のことですか」と聞いていくと、どうやら「自分が死んだら相手に遺す」という意味の手紙を書いているとのことでした。

 二人の約束、ということなので、もしかしたら共同遺言になっていて無効かも?と思ったのですが、ちゃんとそれぞれ別の便せんに書いている!そして、日付も押印もあるではないですか。なんとまぁ、ここにれっきとした自筆証書遺言が残されていたのです。

 ご本人は、その便せんについて親族から「そんなんあかんやろ」と言われたために、遺言と認識していなかったとか。単に「遺言はありませんか?」と尋ねるだけでなく、もっと具体的に踏み込んだ聞き方をしていれば、無用に悩むこともなかったのに・・・ またまた、よい勉強をさせていただきました。

 しかし、その遺言が隅に押しやられたままにならなくて本当に良かった!!そのことにホッと胸をなで下ろします。

 遺言は、その内容はもちろんのこと、書いたこと自体について秘密性は高くあるべき、と思い込んでいたのですが、先日の家族法研究会での床谷先生のお話によれば、かつて遺言とは村の有力者の前で公然と行う行為だったそうです。確かにそれも一理あるのかな、と思った次第です。

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