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何のために司法書士になるのか?

 大阪司法書士会、選挙戦さらに過熱です。ただ今各支部で支部総会が順次開催されていて、会長候補が挨拶回りをしています。

 その会長候補の言葉ではないのですが、別の選挙の候補者である先輩同業者が「なぜ司法書士になるかと言うと、登記の仕事がしたいからだと思います」と仰っていました。でも、それは現状認識に誤りがあると思います。

1、今、司法書士を目指す人たちは登記だけの専門家として司法書士を捉えていないと思います。例えば、わたしも通った資格受験学校LECのホームページを見ると司法書士のことをこのように説明しています。

 『年齢・性別に関係なく活躍ができ、業務の幅も登記の他にも簡易裁判所の訴訟代理権や高齢化社会でニーズの高い成年後見業務などますます活躍の場が広がっております。』

2、現実に、登記の仕事をしたくても登記事件数が激減していて、一方で司法書士の数は過剰になっています。わたしが合格した平成5年は合格者は400名余だったはずですが、今は900名前後。全員が司法書士として登録していないにしても、一人に回ってくる登記事件が減少していることは明白でしょう。

 何が言いたいかというと、登記は司法書士にとって聖域であることは間違いありませんが、それだけでみんなが生活を成り立たせようとするのは不可能であり、時代錯誤でしょう、ということです。

 登記以外の領域で、市民生活に役立てることを誠実に行っていかなければ、私たちはジリ貧になってしまいます。ただ注意したいのは、焦って背伸びをしたり、力づくでことを運ぶことです。コツコツと勉強しながら、ユーザーすなわち市民からの信頼を勝ち取って行かなくてはならないと思います。

 そんなわけで、「司法書士は、登記がしたいから司法書士になる。だから、登記業務を大切にしなくてはならない」という論理に、少し反論してみた次第です。

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