正解のない問題
民事法研究会から「市民後見人養成講座全3巻」が発刊されました リーガルサポートが編集しています。本屋に並んでいるのか、まだ見に行ってないのですが、よろしれば手に取って見てください。これからますます全国に広まると思われる、市民後見人の養成講座に使ってもらおうと作りました。直球勝負のタイトルです。
さて、その3巻に「課題演習」があり、市民後見人養成講座でグループワークのネタに使えるようにと10いくつかの事例と後見人の悩みが書かれていて、「あなたが後見人ならどのように考えますか」と問いかけで終わっています。
本日、同業大先輩から「この課題演習の模範解答はないの?」と尋ねられました
この書籍を市民後見人養成講座のテキストに採用してくれた市町村等には、「利用の手引き」というものを渡すことになっていて、そこには若干の考えるポイントみたいなものは記載されているのですが、模範解答はどこにもありません。
本人の意思の尊重と、本人の身上に配慮すること、どちらも追求することの難しさを実感して、また人によって様々な考え方があることを知ることが、グループワークの目的ということなのです。もちろん、それぞれのケースが現実にあれば、後見人として何か一つの方針を立てることになりますが、その際には、細々とした具体的な事情や条件が積み上げられてその方針を導くわけで、そんなことまでテキストに書ききることが不可能であるということもあります。
ということで、正解のない問題なのです。大先輩は、自分の抱える悩ましい事例に似た課題があったそうで、ご自身の考え方が正しいか知りたかったそう。そうしたことを検証するにも、人の意見を聞く、ということが大切になって来そうです。