親の仕事を継ぐ
昔、資格を取るということに全く興味がなかった頃、お父さんが税理士をしている先輩が「継がなもったいないからな」と言った意味がさっぱり分からなかったのですが、自分で開業してからは、我々のような士業の顧客は一種の財産であるということがしみじみ理解できました。
なので、同業者や税理士に2代目、3代目が多いのはとても納得です。親の顧客をそのまま子が引き継げば、労少なく事務所経営ができますし、様々なノウハウも継承されるのでしょう。ただ、我々の場合には、最近は、子が弁護士にランクアップすることも多いようです。
ところで、先日来のレスリングがオリンピック競技から外される!という一連のニュースを見ていて驚いたのですが、IOCの理事職も世襲の対象なのですね!!ジュニア・サマランチという理事が、かつてのサマランチ会長によく似た顔でインタビューに答えていました。
IOCの理事の椅子は、承継する価値のあるものだということなのでしょうね。もちろん、親が引退するときに子を後任に指名することはできないでしょうが、それは、司法書士業も同じこと。司法書士試験に合格しなければ、いくら継ぎたくったって、継がせたくたって無理なんですから。でも、子が親を承継できるように努力するのは、それをしないとせっかく親が培ったものが水泡に帰すからです。他所に行っちゃうのです。きっと同じことがIOC理事にも言えるのだろうと、テレビ画面を見て思ったわけです。
司法書士の子が、最近では弁護士を目指す例が多いのは、承継する意味が小さくなってきている証なのかも知れません・・・・