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2012年8月

任意後見契約を有効に使える場面

 実際の、わたしが受任しているケースがそうなので、任意後見契約は、身寄りがないとか身近に頼れる親族がないような状況の人が、将来判断能力が衰えた時のために準備しておくというのが典型的な利用の場面、とこれまでも研修などで説明してきました。

 そのような場合には、当然亡くなった後の様々な手続きも任せられる人がいないので、「死後事務委任契約」と遺言の中で執行者に指定してもらう、ということも併せて準備すると、ご本人にとっては憂いがなくなる、というものです。

 昨日今日と、リーガルサポート大阪支部で集中研修があり、わたしは、今日の「任意後見の相談・契約および任意後見人の実務」というコマを受けたのですが、講師によれば、オーナー社長の立場にある人も任意後見契約を締結していると、いざ認知症が発症して社長の役目を果たせなくなっても、任意後見人が代理権目録に基づいて株式議決権を行使すれば、後任者を選任して、会社経営をつつがなく継続できるということで、なるほどなぁ、と思わず膝を打ってしまいました。

 もちろん法定後見を申し立てれば、成年後見人は議決権を行使できますが、その場合には、本人がどのような意向を持っていたか議決権行使に的確に反映させることはかなり困難です。

 任意後見契約を締結すると同時に、将来は経営権を誰に譲りたいのか、そうした意向を明確に残しておけば、それが任意後見人によって履践されることになるでしょう。

 任意後見の分野は、数は着実に増えているとは言え、実務の成熟度は法定後見にずいぶん水を開けられています。このように、人の経験を聞くことは本当に参考になります。

貸金庫の開扉

 業務の都合で、この春合併した信託銀行の人と電話で話しました。

 何かと(わたしが思うところの)必要以上の手続きを踏もうとするので、「もしも遺言で遺言執行者が指定されていて、貸金庫の開扉する権限が明記されていた場合、執行者は単独で貸金庫を開けられるのか?」と尋ねると、執行者が相続人であれば単独で開扉可能だが、執行者が司法書士や弁護士などであれば、加えて相続人の一人の立ち合いが必要なのだそうです。

 実は、遺言執行者として貸金庫を開けたことがないので、それが金融機関の標準的な規律なのかと、同業者に聞いてみましたが、決してそんなことはなく、執行者単独で開けたことは何度となくあるとのこと。

 同業者の中に、せっかく遺言を作っても、その甲斐が失われるような過重な手続きを要求する金融機関を、都度訴えて、態度を変えるよう運動すべき、という意見がありますが、わたしも心情的には大賛成です。ただ、現実にその局面に立った時、それだけのエネルギーの余剰があるかは自信がありませんが・・・

 執行者に指定されている件で、近親者から貸金庫の扱いについて相談されたとき、「貸金庫の開扉する権限」も付与してもらっているから、ご本人が亡くなってからこちらで開けますよ、と当然のように答えたけれど、その銀行の内規を事前に確認しておいた方がよさそうです。けれど、絶対と言ってよいと思いますが、一般的な問い合わせとしては答えてくれないだろうなぁ。

八朔

 空からやたらに音が鳴るので、雷かぁと思ったけれど、今日は8月1日。有名なPL花火の日でした。きっと打ち上げ花火の音なのでしょう。

 買ってきたレタスからビニールの包装をはずして、葉を二枚めくったら、そこに1cm弱の羽虫が動いていて、ギョッとしてしまいました。でもすぐに、強力な農薬は使ってないという証拠なのだと言い聞かせました。純正の都会っ子なので、どうも野生の生き物には弱くていけません。

 節電のために、7月半ばまで冷房なしで、窓を開けきって仕事をしていましたが、網戸がないので夜になると色々な虫が舞い込んで来ました。一人でカナブンと格闘したこともあります。朝、羽虫の死がいが机に落ちていたこともあり、puっちゃんもギョッとしていました。都会っ子です。

 そんなこんなの8月1日です。さすがに冷房は使っています。28℃設定です。今、一人の被後見人が入院していますが、そこの室温(個室です)は25.5℃でした。本当はそれくらいが快適なのでしょうかね。

 時候の挨拶は「残暑の候」だけど、さて、夏はどれくらい残っているのでしょう。

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