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2012年1月

即効型任意後見契約を選ぶときとは?

 任意後見契約には、「即効型」「移行型」「将来型」があると説明されています。

 「将来型」は任意後見契約だけの場合で、将来判断能力に衰えが見られるようになって、任意後見監督人が選任されたら契約がスタートするもの、「移行型」は財産管理等委任契約+任意後見契約を締結して、判断能力が衰える前から支援を行うものです。

 「即効型」は、任意後見契約を締結してすぐに任意後見監督人選任申し立てをするものです。

 任意後見契約を締結するには、当然のことながら相応の意思能力を必要とします。一方で、任意後見監督人選任は判断能力の衰えていることが要件となりますので、即効型というのは矛盾を孕んでいるとも言えるし、即効型があり得るとすれば非常に稀なケースであるだろうということが言えると思います。

 任意後見は、自分で自分の人生をマネジメントすることを実現するシステムだと考えていますので、即効型程度に能力ダウンが見られるのであれば任意後見の良さを生かすことはあまり期待できないように思われます。ご本人が自分には支援者が必要だと思っておられるなら、任意後見で進めるよりも「補助申立て」を検討するほうが適当だと考えます。任意後見では任意後見人+任意後見監督人の二人分の報酬が必要となりますが、補助なら補助人の報酬だけで足りるというのも、その理由の一つです。

 昨日の研修でもしつこく言ってしまったことですが、任意後見は気力体力が充実している間に検討を始めて、自身にとってぴったりの受任者を見つけて、残りの人生の幸せに役立ててこそその有用性が発揮されるので、急ごしらえで利用するのは消極的になります。

 

成年後見人の自己執行義務

 昨夜の女子会。リーガルサポート大阪支部の(昔の)女子で軽く集まってお話ししました♪ そこで話が大きく展開したわけではないのですが、「成年後見人には自己執行義務があるよね」と言ってしまったので、考え始めています・・・

 よくよく六法を繰ってみると、委任による代理人は原則自分で事務処理をしなくてはならないわけですが、法定代理人は民法第106条において「自己の責任で復代理人を選ぶことができる。」とされており、自己執行義務は課されていないようです。しかし、成年後見人がご本人の訪問を第三者に頼んでその報告を聞くことで済ませているなどというのは、何とも釈然とせず、そんなことで身上配慮ができるのか!と直感的に思ってしまいます。

 ただ、確かに当事務所でも、わたしが忙しくてなかなか病院を訪問できない時にミセス家計簿やpuっちゃんに支払いがてら様子を見に行ってもらったりしたこともありました。それは、ご本人が人を識別することができずわたし以外が訪れても混乱することなどない、ということが大前提になりますし、そういう代訪問が常態化してはいけないと思っていました。

 法定代理人である成年後見人の自己執行義務はどのように考えるべきなのでしょうか。また宿題が増えました

自由って何だ?

 日が着実に長くなって来ましたね。寒さはこれからが本番ですけど。「冬来たりなば、春遠からじ」。悪い出来事があっても腐らずに行きましょう、と自分にエールです。

 さて、遺留分です。遺留分は、遺言者の財産処分の自由と相続人の公平性を調整する役割があるそうです。しかし、わたしは、生きてる間は自分の財産をどのように使おうが自由なわけだし、成年後見人として「ご本人の財産はできるだけご本人のために有意義に使いましょう」という考え方が是とされていると思われるし、ご本人の死亡時に財産がゼロになっているのが理想的という意見まであるのだから、そこから演繹すれば、自己の死後の財産の行方も100%自由に決められていいのじゃないか、その自由を制限してまで保護すべき利益などないのではないか、と思っていました。

 昨日も、来月の家族法研究会の発表会打ち合わせをしていたのですが、その最中にハタと頭に思い浮かびました。遺言者が100%自由に財産を処分できるべきである、という考え方の前提には、遺言者を取り巻く人たちも100%自由に振舞っていることが必要ではないか、と。遺言者の家族が、色々なしがらみや風習や伝統などに束縛されて自由に振舞えないのなら、その不自由さについては無自覚かも知れないけれど、確かに、遺言者だけが自由にするのは理不尽な結果になることもあるかも知れない、と。

 一つのテーマを少しずつでも考え続けると、色々と新しい発見があるものです。昨日の打ち合わせのメンバーも、最初とは考えが変わって来た、と言っていました。これこそ研究である、という気もしています。自画自賛が過ぎますかね?

窓から見える景色

 ふと窓の外に目をやると、これまではなかったはずの灯りがあります。ずっと建設中だった高層マンションが完成して入居が始まったのでしょう。

 人の気配がして賑やかですが、空が狭くなるのは残念なことです。

 昔、社会人になりたての頃、通勤地獄に辟易した結果、週休三日制を唱えたことがありました、周囲だけにですけど。働く四日は、職場近くの狭い部屋に住んで、片道2時間くらいで移動できるちょっとした田舎に心地よい住まいを持つのです。そして、働いていない家族はずっと田舎暮らしです。週休二日で行ったり来たりは結構しんどいので、週休三日、それも連休でなければならないという贅沢な構想(妄想?)でした。

 数年前に、東京の朝の通勤ラッシュを経験しましたが、てっきり事故か何かで電車が遅延しているのだと思いました。関西であの混みようは滅多に遭遇しません。ホームに入ってくる電車は既に満杯で、この車両のどこに乗り込めばいいの?と、何台も電車を見送ってしまいました。そしてようやく、何が何でもこれに乗らなくちゃ、待っていても隙間のある電車は来ないのだと気づいたのです あれこそ「地獄」でした。隣の人に対して心を閉ざし無関心になっておかなければ、目的地にたどり着くまでに精神的にもヘトヘトでしょう。

 人の気配。全く無ければ不安になりそうですけど、あまり沢山もねぇ。

遺留分減殺請求権を債権者代位権の目的とすることの可否

 来月の家族法研究会発表会準備で、標記の判例のまとめをしています。判決文を取り寄せて必要個所を抽出するのですが、簡単なようで難しいです。全てが重要に思えて、そうすると要旨ではなく書き写しになって長くなるし・・・

 でも一番の難所は、相続関係図を入れること。それがあると文章だけよりずっと理解しやすくなるからと思ったのは良いのですが、わたしの稚拙なワープロ技術では時間がかかることこの上なく、ついにギブアップしました。明日、puっちゃんに手助けをお願いしてみよう♪と準備していたら、突然笑いが込み上げて抑えられませんでした。だって、情けないじゃないですか!さして年の違わない人に、パソコン技術で助けを請うなんて。いつも所長風を吹かせてるのに スマスマの「昭和時代」のおじちゃん達みたいです。

 遺留分減殺請求権は、帰属上の一身専属性はないけれど、行使上の一身専属性があるとして、それを行使するか否かは遺留分権利者以外の者は介入できず、債権者代位権の目的とはできない、と判断されています。最高裁平成13年11月22日判決です。学説では反対意見が多いようですが。

 今回の資料作りは、全15の判例を研究会メンバーで手分けして作業しています。

虚偽表示疑惑?

 10年以上前にずいぶんお世話になった銀行マンから年賀状が来ていました。関東に転勤されて久しい方です。手書きのコメントに「ホームページの写真、当分はあのままでいっといて下さい」とありました。

 グサッ!当事務所のホームページのプロフィールに掲げている私の写真のことを仰っているのです。http://www.homik.com/profile.html

 この写真はこれっぽっちも修正はされていません。ちょっとライトが当たっていますけれど・・・雑誌に掲載されたときにプロに撮ってもらった写真なので、上手に映っています。何が「虚偽表示かも」って、撮影した時期の問題なのです。最近ではないのです。ちょっと前・・・いや、結構前なのです 

 いつのことかははっきり覚えていますが、ここでは差し控えたいと思います。でも、この写真で着てるスーツは今でも着れるし、そんな変貌を遂げたとは思わないんですけど、目が遠くなったせいでしょうかね?

 一応生まれ年を開示していて年齢詐称はしていないつもりなので、次の「奇跡の一枚」を入手するまで、今しばらくご寛恕くださいませ(でもやっぱ、顎の線とか頬骨の位置とか違うかな~?)。

新年の抱負

 新年明けましておめでとうございます。本年もぼちぼち更新しながら、自分の中で混沌とする課題についてつぶやきたいと思います、あれっ?ツイッターじゃないのにね

 今年は何とか、セルフコントロールできる自分になろうと決心しました。克己心とも言えるでしょうか。食べ過ぎない、飲み過ぎない、テレビのスイッチを切る、早く寝る、無駄遣いしない、こまめに体を動かす、用事を貯めない。あー、どれも心がけ一つでできそうなのにそう簡単でないことは、多くの皆さんの賛同を得られるのではないでしょうか?アラフィーにもなってレベルの低い抱負で情けないの一言に尽きますが・・・

 三が日のテレビはあまりに面白くないので、スイッチを切るのは割と簡単でした。子供の頃は「かくし芸大会」とか、とっても楽しみにしていたものですが。お金はまだ一円も使っていません!神社に初詣に行ったのに、お金を持っていなくてお賽銭もしていないのです。ご利益無しかとも思いましたが、神様はそんなに狭量ではないと信じてます♪

 2月には、大阪司法書士会家族法研究会の発表会と、リーガルサポートのシンポジウムが予定されていて、どちらも人前で話さなくてはならないので、しばらくは気が重い状態が続きます。

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