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2011年8月

成年後見選挙権訴訟

 公職選挙法第11条第1項により、成年後見が開始した人は選挙することも選挙されることもできません。知的障害の本人のために良かれと思って成年後見の申立てをしたが、そのせいで、これまで欠かさず選挙に行って投票してきたのにそれができなくなってしまった、選挙権は国民としての基本的な権利であり、そのような公職選挙法は違憲である、として、成年被後見人の選挙権回復を求める訴訟が提起されています。

 東京、埼玉に続いて、先日京都地裁でも第一回口頭弁論が開かれましたので、時間もあったし傍聴に行って来ました。法廷に入った時には成年後見人である弁護士が意見陳述を始めており、その後、成年被後見人本人の意見陳述が続きました。

 被告の国からは、原告が求めているのは一度の選挙についてか、今後全ての選挙についての選挙権か、という求釈明がなされていました。訴状にどのように請求の趣旨が記載されていたのかは分からないのですが、今後全ての選挙権であることは明白なように思われ、被告が原告の主張にがっぷり四つに組んでいないように感じました。

 「政府がなってないのは、そんな政治家を選んだ国民のレベルが低いから」などと最近よく聞きます。選挙は国民であることの証であり、自己が属する国家へ意見する重要な手段です。簡単に奪っていいはずがありません。充実した弁論が展開されることを期待し、わたし自身も勉強していきたいと思っています。

自己決定の尊重の難しさ

 先週のことですが、とある大学へ「高齢社会における認知症のターミナルを考える」というシンポジウムの聴講に行きました。

 最も印象に残ったのが、主宰者の大学教授の個人的体験のエピソードでした。認知症の義母が入所する施設でインフルエンザの予防接種の時期が来て、事前に本人に尋ねた時には同意していたのに、いざ注射をする日にとても嫌がってしまって、色々手を尽くしたけれど気持ちが落ち着かず、やむを得ないと判断して腕を押えて注射をしてもらったが、今もその時のことを考えるとそれで良かったのか?と自問してしまう、と声を詰まらせておられました。

 もしも予防接種を諦めていたら、インフルエンザのシーズンが無事に過ぎるまでヤキモキを抱えていたかも知れません。ましてや罹ってしまったら、なぜ注射を受けさせなかったかと思ってしまうでしょう。

 一言で自己決定の尊重と言うけれど、現実には本人の安全とを天秤にかけねばならず、その選択は難しいのです。さして影響のないこと、取り返しの付くことなら本人が口にする希望通りでも良いかもしれませんが、健康・医療に関することはそうではないのです。

 また、注射を目の前にして嫌がることは、認知症の方にとっては自己決定とまでは言えないでしょう。だけど、それを無視するのは非常に難しいことなのです。

 先の主宰者は、ご本人の意向に反して予防接種を決行したことで傷ついておられました。そのことが痛いほど会場に伝わって来ました。共感した参加者は多かったことと思います。成年後見人として類似の立場に立つこともあり、わたしもその一人です。

同窓会の効能とは

 高3時代のグループでお盆中に集まりました。当然のことながら同い年♪ 婚姻回数、家族構成、色々あっても寄る年波に勝てないのは皆同じ。体力・体調・体型の打ち明け話で大盛り上がりしました。

 みんなおんなじなんだ、と思えるだけで、ちょっと憂鬱だったことも笑い飛ばせていいものです。元気な気持ちで帰路に着きました。

 次回には全員、男性の同窓生を同伴すること、という妙な約束もなされてました。気持ちだけは、箸が転んでもおかしい年頃に舞い戻ってたようです。おかしなものですね。そしていいものです。

 被後見人等のみなさんは大半が高齢者なのですが、お盆にはやはりお墓参りのことを思い出されるようです。カレンダーに「秋に涼しくなったら墓参りする」と書いておられる方もいます。現在の彼女には途方もない遠出なので、どのように援助ができるか、思案のしどころです。

 一方、活動低下を補うサポートを提供しようとしても、ご本人があまり受け容れられない場合もあります。ちょっと残念な気もしてしまうのですが、きっとからだがしんどいのでしょう。援助の押し売りになってはいけないな、と自戒します。

もう誰もおれを止められない!

 ブラゼルが巨体を揺らして走りこみホームで易々と憤死するのを、最近数度見たような気がします。が、ともかく首位相手に三連勝なのでご機嫌さんです♪ ブラゼルは気は優しくて力持ちなので大好きです。

 今日の電力使用率が92%まで行ったところは確認しました。「本当は電気は足りてる」論者もいらっしゃいますが、一応廊下の明かりは消して節電努力しています。

 さて、在宅の女性に昨日から電話を架け続けているけれど、ずっと話し中です。NTTの話中調べで「受話器が外れています」と言われました。朝晩ヘルパーさんが入っているので問題発生ではないのですが、ヘルパー事業所に受話器の確認作業をお願いしておきました。訪問の約束をしたかったのになぁ。この暑さでは外出はなさらないかもしれないけれど、アポなし突撃はやはり避けたいです。

 電話連絡が取れる方は助かります。聴力が低下してきて電話での会話が難しくなると、即時のコミュニケーションが取れなくなります。ファクスを装備していただくようお願いすることもありますが、新しい機器導入は混乱を招くこともあるのでなかなか実現はしませんね。

 施設入所の方の場合、訪問予定などプライバシーに支障のないことなら施設あてにファクスを送ってご本人に届けていただいたりもします。目で見れるので、部屋の壁に貼られて予定確認に一役買っているようです。

 自分で電話が架けられる方はかなりしっかりした方ですが、後見人では対応できないことで頻繁に電話がかかって閉口している事例も聞くことがあります。 コミュニケーションが取れ過ぎるということでしょうか。こうした場合には、ある程度割り切った対応をする必要があると思います。

余暇でストレス・・・

 仕事から帰って第三のお酒なんかをプハーッとして寛ぐつもりが、またまたKHのおかげで台無しです ちょうど逆転したところから見始めていたのに、阪神巨人戦。借金が、かえせそうでも返せない 今日はどうでしょう?

 先週は、遺言についての説明会を行って来ました。公正証書遺言であれば、遺言者の死亡後にもしも遺言が見つからなくっても、公証役場で検索してもらえて、遺言をしていたことが判れば謄本を請求できることをお話しすると喜んでおられた方がいました。

 http://www.koshonin.gr.jp/koji.html

 遺言を書いたことを生前に周囲に知らせたくないこともありますね。

 さて、先々週の成年後見、先週の遺言の説明会は、いずれも表現舎乱坊さんという社会人落語家さんとの共演でした。

 http://d.hatena.ne.jp/HyougensyaR/

 なんだ、乱坊さん書いてくれていたんですね。それも何やらええように。

 当然のことながら、成年後見も遺言も、最終的には個別具体的に検討しなくてはならないことですし、まずは大枠の部分を理解してもらうことが大切です。喋りのプロとの掛け合いで、高齢の方々にも、スーッと自然に理解してもらえたように思えます。

 

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