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遺産分割での生命保険金の取り扱い

 「受取人に指定されていたのなら、生命保険金は相続財産には入りませんよ。だからそれを除いて、遺産に法定相続分を掛けて考えれば良いです。」

 つい先日、特に悩むこともなくそのように発言したのですが、明日の家族法研究会の下調べで書物を繰っていたら、「生命保険金は特別受益として相続財産に持ち戻すのが相当」という趣旨の記述を見てびっくり 何か勘違いしていたっけ?と司法研修所「遺産分割事件の処理をめぐる問題」を開いても、同様に原則特別受益に該当すると書いてあります。

 何をどう勘違いして理解し覚えていたのか?自分が信じられなくなり慌てましたが、直に理由が判明しました。

 生命保険金が特別受益になるのかという揺れ動いていた論点に、最高裁の判決が出たのが平成16年10月29日。見ていた本は全てそれ以前に著された本だったのです。あー、びっくりしました。即座に古い本にシャーペンで注意書きを記入しました。

 その判決によれば、受取人に指定された保険契約に基づく死亡保険金請求権は固有の権利として取得するので、民法903条1項の持ち戻すべき財産には当たらないが、他の共同相続人との間に生ずる不公平が是認できないほど著しいという特段の事情がある場合には持ち戻しの対象とすべし、ということです。

 例えば、遺産全体と死亡保険金額の割合や、被後見人の介護に対する貢献などを勘案して、特段の事情の有無を判定することになります。

 決して間違った知識を定着させていたわけじゃないことが分かってホッとしましたが、できれば結論に至る経緯・沿革も頭に残っていれば、こんなに焦ることなかったのに

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