見直しました!
ある金融機関で相続手続きをしようとしています。被補助人が相続人の一人だからです。
「○○補助人梶田」として申請書を提出したところ、相続センターから電話が入りました。「補助人ということですが、どのような代理権が付与されているのでしょうか?」とのお尋ねです。分かってますねぇ、と嬉しくなりながら、「遺産分割手続きと金融機関との取引がちゃんと付いています」と答えました。書類は当方へ送付してくれるということでした。もちろん、後見登記事項証明書はいずれ原本を提示します。
補助は、法定後見三類型の中で判断能力の衰えの程度が最も軽く、補助人に当然に付与される権限はありません。つまり補助開始申立ての際に、必要な同意権や代理権の付与を合わせて申し立てるのです。同意権・代理権付与がセットでない補助開始申立てはあり得ないことになります(民法第15条3項)。
そういうわけで、一言で「補助人」といってもどんな権限を有しているかはケースによってまちまちです。それを相続センターは確認されたということで、制度を正しく理解されているからこそなのです。
ところで、補助人に付与された同意権や代理権が必要性がなくなるなどして全て取り消されれば、補助開始の審判そのものは家裁の職権で取り消されます(民法第18条3項)。
今も「わたしは○○さんの補助人で、それは後見人の一種なんですけど」などと言うことが多いのですが、こんな風に制度について正しく勉強されている金融機関が増えてくれると本当にストレスが軽減されます。