高齢者の戸籍消除
連日報道されている高齢者の所在不明者続出のニュース。家族や地域の絆が希薄になったことが原因だ、とか、年金の不正受給は、とか色々言われていますが、行政の怠慢っていうわけではないと思うのですが。システムの限界なのではないかと思います。
ところで、被後見人の親族にも、100数十歳になっているけど戸籍が残っている人がいます。けれど、住民票は既にありません。将来、被後見人が亡くなると、その人物が相続人になるので、「こんなことってあるんやなぁ」と以前から思っていました。
このように、戸籍上の高齢者で所在(住所など)が不明で、死亡している蓋然性が高い場合には、市町村長が職権で戸籍を消す手続があります。死亡の届出は出ていないし失踪宣告もなされていないのだけれど、生年月日からみて通常生存しているとは考えにくく、住所の記載もない場合などです。
このような戸籍消除は戸籍の整理ではありますが、死亡の年月日が記載されるわけではなく、相続の開始原因とはなりません。所在不明者の財産について相続手続をするためには、失踪宣告の手続などにより、死亡とみなされる日が戸籍に記載される必要があります。
従って、先の被後見人が死亡した場合には、この所在不明者を相続人として扱わなくてはならないわけです。不在者財産管理人選任を申し立てなくてはならないものと考えています。
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