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2010年2月

日本司法書士会連合会が報酬上限を設ける?

http://www.asahi.com/national/update/0224/TKY201002230505.html

 昨今の過払い金ブームの下、報酬を巡って司法書士のモラルが低下しているとして、日本司法書士会連合会が報酬の上限を設定を検討しているそうです。

 思わず「恥ずかしい」と言うと、テリー同業者もpuっちゃんも賛意を示してくれました。

 わたしだって、過払い返還専門のような同業者事務所の広告などは、おためごかしで苦々しく思っています。けれど、9年前に報酬は依頼者と司法書士の合意に基づいて決めるという原則になったはず。それ以降、「報酬基準で決まってまして」などといった言い訳は通用しなくなり、報酬について事前に丁寧に説明する必要が生じたのであり、とても健全な状態になったのです。

 報酬についての事前の合意がなかった、あるいは説明が不足していたようなケースについて、その司法書士をどしどし懲戒処分にしていけばよいのではないでしょうか?ちゃんとできない人が一部いるからと言って、原則を曲げるルールを作るだなんて、と思うのですが。こうした対策が自浄能力を有した業界として社会に対してのアピールになるのでしょうか?我々全員が、縛り付けられないとみっともなくないことができないみたいじゃありませんか!

 業界のレベルをダウンさせる同業者に対してもっと毅然とした対応をすると同時に、一般市民が良心的で優秀な司法書士にアクセスできるよう、業界としてもっと工夫をすれば良いと思っています。そうすることで、低モラルの同業者の跋扈を抑制するのが正攻法では?概して言えば、良心的で優秀な司法書士は、大量に広告を打てるような経営状況にないと思うので。

 っていうか、建前では司法書士は皆同レベルっていうことになってるんでしょうね。倫理観、スキル、リーガルマインド、コミュニケーション能力などなど、業務に必要な力の格差は大きいのが実態だけれど。

 商売上手を非難してはいけないと思うし、あんまり言い過ぎてはごまめの歯軋り、ただのやっかみになってしまいますネェ・・・・上の方の方々も、散々頭を悩ませた結果なのかもしれないけど・・・・

登記行政のヒエラルキー

 司法書士は、法務局から電話があると心臓が縮み上がる、可哀相な存在です。あまり良い知らせはなく、大半が登記申請書の間違いの指摘の電話だからです。

 ちなみに、同業者間でよく言われることですが、裁判所からの電話はさほど怖くありません。間違いを指摘されても修正が効くことがほとんどだからです。登記の場合には、修正できずに申請を取り下げざるを得ないことがあります。となると、登記申請の受付日がずれて来ます。登記は早い者順が一つのルールなので、受付日が予定より遅くなるととんでもない損害が生じることがあり得るのです。

 そんな訳で、私たちは法務局からの電話に過剰に反応してしまいます。

 今朝、久しぶりにそんな電話が掛かってきました。決してしょっちゅうあることではありませんので念のため・・・ともかく一気に事務所内がブルー一色です。事務所内で「気をつけなあかんよ」と言い残し、わたしは法務局へ向かいました。そして登記官から「気をつけてくださいよ」その他諸々言われながら申請書を訂正しての帰り道、さっき自分が事務所で言ったことを言われたなぁ、これが登記行政のヒエラルキーだなと妙に感じ入ったのです。法務局は司法書士本職に、司法書士は事務所内で、「間違えないようにしてください」と指導するわけです。

 さて、同職の人たちに「遺言と遺言執行」の講義をする日が近づいてきました。リハーサルが思ったより進んでないので、すこーし不安です。今夜頑張ります。

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