市民後見人養成講座があちらこちらで
大きな財団の助成を受けたり、小さな法人が独自事業で行ったり、形態は様々ですが、「市民後見人養成」と銘打った講座が年度末まで活況な様子です。
10年前成年後見制度が始まって以来、「伝道師」を自任して請われるままに講師を引き受けていた経緯から、今もそのような講座の講師依頼をいただきます。
大阪市成年後見支援センターで、謂わば市民後見人の先駆けに携っている立場上、民間の「市民後見人養成講座」に出向くのは慎重であってしかるべきと考えますが、結論としては、現実に家庭裁判所から信頼を受けて一般市民の方が後見人に選任されることは簡単ではないことを話しますよ、と了解を得て講師に出向いています。
まず、まだまだ成年後見制度が社会に定着したとは言い難いと考えているので、普及活動の一環と捉えていること。また、わたしが講師に行かなくてもその養成講座は開催されるのですから、そうであるなら市民後見人の実態を知る者として直接伝えていく方が良いと考えるからです。
受講者の方には、「講座で身に付けた知識は、市民後見人としてすぐに使えなくても、地域や身近な方のために別の形で活用できるはずです」とお話ししています。
もちろん理想的なのは、大阪市成年後見支援センターのような、家庭裁判所の信任を得られるシステムがもっと増えて、大勢の市民の方が活躍されることです。先日の講座でも、現状では選任されるルートがないことを指摘すると、そういう仕組みづくりに力を入れるべきとの力強い受講者の声がありました。