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2010年1月

親族後見人

 親族が後見人になる割合は年々下がっているようで、平成20年の統計で7割弱です。都市部ではさらに数字は低いようです。

 しかしそうは言っても、成年後見制度を支えているのは親族であることに変わりありません。成年後見の支援が必要な方がいれば、行政はまず親族に申立をするよう持ちかけ、さらに後見人となることを打診するのでしょう。

 行政からの働きかけがなされた親族の対応としては、「申立をすることは承知するが、後見人の重責は担えない」だったり、「長年没交渉であり、関わりたくない」だったり、「何かはよく分からないけど、迷惑は掛けたくないので役所の言うとおりにしましょう」だったりすると考えられます。

 最後のタイプの親族の場合、周囲が十分に制度の説明を行っておかないと、全くの無自覚に様々な法律関係に巻き込まれていくことになって、後見人となった親族が途方に暮れてしまうケースがあります。

 地域の支援者としては、本人の権利擁護を思うばかりに、親族に連絡を取って申立の必要性を説明して了解を得、「ヤレヤレ」という気分になってしまうかも、と推測しますが、親族であっても気楽に後見人を引き受けることはできないと考えますし、それなりの覚悟を持ってもらうべきです。もちろん、後見人の職務説明の最終的な責任は家裁にあるのかな?とは思いますが、そこまで手が回っていないのが現実でしょう。

 親族後見人では荷が重いようなケースに、躊躇いなく専門職を選任できるよう、専門職後見人の受け皿をもっと大きくすることも課題でしょう。

知りたがりの金融機関

 月末は一部の司法書士にとっては書き入れ時です。不動産売買の登記が集中する時期だから。仲介業者も金融機関も、月毎の目標や成績があるでしょうから、何とかその月内に押し込もうとする力が働くからだと思っています。

 近々抵当権設定登記を申請する件。借入をする方が以前からのお客様で、登記を担当することになりましたが、銀行が登記費用を知らせるようにと言います。しかし、借入金は不動産の価格と同額で、登記費用はお客様の自己資金からお支払いいただくことになっています。銀行には関係ないのじゃないの?という感じがしてなりません。それも、ローン実行と同時に銀行から振り込む段取りならいざ知らず、後日直接いただくのです。

 別に金額を知られて困るわけではないけれど、お客様から聞いていただくのが適切な気がします、と答えておきました。

 しかし、立場を変えれば、金融機関の気持ちも判らないでもありません。私たちだって、登記手続きが本来の目的外に利用されていないか、いつも心配で、できる限りの情報を得ようと「知りたがって」しまいます。

 とは言え、上記のケースで、金融機関にとって登記費用は全く関係ないと思うのですが。こんなことで引っ掛かるから、銀行から好かれないのでしょうね

市民後見人養成講座があちらこちらで

 大きな財団の助成を受けたり、小さな法人が独自事業で行ったり、形態は様々ですが、「市民後見人養成」と銘打った講座が年度末まで活況な様子です。

 10年前成年後見制度が始まって以来、「伝道師」を自任して請われるままに講師を引き受けていた経緯から、今もそのような講座の講師依頼をいただきます。

 大阪市成年後見支援センターで、謂わば市民後見人の先駆けに携っている立場上、民間の「市民後見人養成講座」に出向くのは慎重であってしかるべきと考えますが、結論としては、現実に家庭裁判所から信頼を受けて一般市民の方が後見人に選任されることは簡単ではないことを話しますよ、と了解を得て講師に出向いています。

 まず、まだまだ成年後見制度が社会に定着したとは言い難いと考えているので、普及活動の一環と捉えていること。また、わたしが講師に行かなくてもその養成講座は開催されるのですから、そうであるなら市民後見人の実態を知る者として直接伝えていく方が良いと考えるからです。

 受講者の方には、「講座で身に付けた知識は、市民後見人としてすぐに使えなくても、地域や身近な方のために別の形で活用できるはずです」とお話ししています。

 もちろん理想的なのは、大阪市成年後見支援センターのような、家庭裁判所の信任を得られるシステムがもっと増えて、大勢の市民の方が活躍されることです。先日の講座でも、現状では選任されるルートがないことを指摘すると、そういう仕組みづくりに力を入れるべきとの力強い受講者の声がありました。

運動で脳が若返り

 http://mainichi.jp/select/today/news/20100119k0000m040134000c.html

マウスによる実験で、運動が脳の活性化に奏功するという実験結果が出た記事です。認知症治療薬と同じ働きをしているとか。

 体を動かすことは気分転換にもなるし、高齢者に限らず、良さそうですよね。施設に入所してしまうと、危ない、付き添いがない、などなどの理由と、ご本人も億劫になってしまって、ジッとしていることが増えているように見受けられることが多いです。

 周りからの声掛けと興味をそそるやり方で体を動かす環境を作ってもらえるよう、後見人としては求めて行きたいものです。

最高気温5℃?

 今日も極寒の予報です 先月ソウルで買って来た柚子茶を飲んで温まっています。

 トモコ同業者が最近南九州の同業事務所を訪問したそうなんですが、近所の住民がアポなしで何人も訪れていたそうで、「こんな形態もいいな」と思ったとのことでした。

 わたしは随分前からそんな完全地元密着は憧れで、父が亡くなったら四国へ移る!と宣言していたのですが、いざそういう環境になってみると越えなければならないハードルがいくつもあって、もっと手前の課題を片付けるのに精一杯というのが実情です。結局雑踏の片隅で、朽ち果てるまで司法書士を続けることになるのでしょうか?

 司法書士事務所の経営形態はいくつあるのでしょうか?法人化して複数の本職が所属する事務所。さらに支店を置く事務所。その上は全国展開する事務所。反対方向へは、当事務所のように小規模共同事務所か、本当に一人親方事務所。もっとも一人親方でも、幾人もの事務員を擁して大量登記事件を処理するところもありますし、事務員を置かず外出時は転送電話で対処しているところもあるので、本職の人数だけでは計れないところです。

 無理せず持続可能な形がもっとも理想的だと思うのですが。年の初めに、これからの事務所のあり方に少し思いを馳せてみました。

雪が降る~♪

 久しぶりに雪が舞っています。冷たいけれど、何だか楽しいものです。昔のことで恐縮ですが、小学生時代(昭和40年代)は大阪も結構雪が積もったものです。運動場で雪合戦をした思い出も一度や二度ではありません

 年末に被後見人がお一人亡くなりました。95歳だったので大往生と言って良いのだろうと思っています。

 この方の妹さんの補助人でもあるので、妹さんが喪主となられた葬儀などの事務手続をしています。初めは、初盆を終えたら納骨する予定だったのですが、早く納骨してしまいたいと妹さんの希望が変わって来ました。法律行為ではなく事実行為ですが、お付き合いして同行することになるでしょう。

 亡くなった方の元後見人としては、葬儀や納骨は本来業務ではありませんが、今は喪主である妹さんの補助人として関わっている格好です。しかし、死後に生ずる様々な事務手続きを行う親族がいない場合には、元後見人が事実上処理することも往々にしてあります。法的根拠が希薄なので、このような動きをするときには慎重を期すことが求められます。義侠心で手を出したのに、後からやり過ぎと誹られてはやるせないですから。

 レジュメ作りは佳境に入り、今再び気持ちが緩んでいます。ナントカ今夜中に格好を付け、明日は見直しに費やしたいものです。

こども司法書士

 なんと、TBS系列で「こども司法書士」が問題解決する番組が始まったらしいです!何匹目のどじょうを狙ってるのか?っていう感じですが、たった5分の番組だけど、司法書士についての理解を広めるにはそれなりに効果あるかもしれません。

 行政書士が主人公のドラマがまた始まるようですね。それも櫻井翔くん主演で。きっと八面六臂の活躍をするのでしょう。巷の行政書士にとっては、多大な宣伝効果がありますよね~。

 来月早々に講師をすることになっている講義のレジュメがまだできない どんどん己の不勉強が明らかになって来て、情けないし自信もない、という悪循環です。色んなことを引き受けすぎるのは、今年は慎まなくては。

 今年の、特に年初のもう一つの目標は、昨年不義理をした人たちに義理を果たすこと。そんなワケでレジュメ作りの時間が存分に取れてないという言い訳もあります。ともかく、三連休ラストスパートします。

仕事始め

 1月4日の北浜は、人口密度がいつもの6~7掛けという感じでしょうか?日頃我々の昼食を賄ってくれる路上のお弁当屋さんも、かなりのところが休んでいたようです。

 年初の楽しみは頂いた年賀状を見ること。先にも書きましたが、喪中なのでどうしても枚数は少ないのですが、近況が判って楽しいものです。かつて当事務所にいたロースクール卒業生は司法試験に落ちてしまったようで、気になっていたことがはっきりして、残念な結果であれスッキリしました。すぐさま、今年は祝宴を催せるように願っていることをメールで伝えておきました。

 今朝は、ずっと無人のせいで冷え切っていたのか、暖房を入れてもオフィス内がなかなか暖まらず難儀でした。エアコンが壊れたん?とpuっちゃんと言い合うほどでした

 

「アバター」を観ました

 正月早々梅田へ出たらセール目当ての行列ができていて、いつもは人が疎らなファッションビルもエスカレーターに若い人で数珠繋ぎになっているので驚きました。

 「アバター」を観ました。3D映画というのは初めてでしたが、ずっとメガネをかけておかないとダメなんですね、ちょっと鬱陶しい。スクリーンが薄暗く見えるし。確かにほんのり立体的で、雪のようなものが舞っていたら飛蚊症か?と思ってしまう感じです。コンセプトに「風の谷のナウシカ」、舞台設定に「天空の城ラピュタ」が混じってる?と思いました。これ以上なくアメリカ的と言ってよい軍人が敵役で、散々暴れ倒した後成敗されますが、ラストシーンの主人公の行く末はやはりアメリカ的な印象です。つまり即物的で眼前に結果を求めていて、その点が余韻が少ない原因のように思われました。でも、面白い。とても長かったし観る前にお酒を飲んでいたので、途中ウトウトしてしまったからもう一度しっかり観たいです。

 さて、今年の正月休みは短い 年末に亡くなった被後見人の女性のことで、色々手続きに着手しなくてはならないし、いきなりバタバタします。片付かないままのわたしの机周り。いつ雪崩注意報が解除できるか、目処は立ちません

本年もよろしくお願いいたします

 清清しい好天で2010年が明けました。今年もよろしくお願いいたします。

 喪中のためあまりめでたがってもいられませんが、時節の区切りは気持ちを新たにするチャンスでもあり、それなりに正月を満喫しています。でもテレビは全く面白くありませんね~、中高の頃はあんなに年末年始の番組を楽しみにしていたのに・・・「かくし芸大会」ももう終了とか。

 実はこの年齢になっても、未だお年玉をあげたことがありません。子供を持たないばかりか甥姪もいないので。あげるとすればいとこの子が思い浮かびますが、ここまで範囲を広げるとえらい散財になりかねません。

 そんなわたしがお正月を実感するものとは、数の子です。大好きな数の子を誰憚ることなく思う存分食べることができるのがお正月です。今年はちょっと塩抜きをし過ぎてしまった感じで、残念な仕上がりなんですが。

 既に手帳には多くの会務の予定が入っていて、せわしいのが苦手なわたしは見ただけで息が上がっていますが、働き盛りと言われる頃もあとわずか。鞭を入れながら何とかこなしたい、というのが目標でしょうか。皆さんにとって、健やかな一年になりますように。

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