今朝の「朝ズバッ!」にちょっと一言
今朝のニュースで、東京都の90歳代の認知症の男性が、信頼を寄せていた介護士にお金を引き出され使い込まれた事件が報道されていました。
男性について司法書士が成年後見人に選任され、不正出金の事実が明白になったそうで、朝ズバッ!では司法書士もインタビューを受けていました。で、今日のコメンテーター道弁護士が成年後見制度について簡単な説明をされたのです。
その中で、この男性のように身寄りがない方は、認知症などになった場合に備えて、あらかじめ公正証書で契約をしておくことが望ましい(=任意後見契約の奨励)、という趣旨の発言をされ、わたしと同じ考えだわ♪と、テレビ画面に大きくうなずきました。
ただ、法定後見開始について民法上の申立権者以外に申立てできる人はいないようなコメントをされてしまったことはとても残念でした。
この瞬間、TBSに「市長申し立てもできますよ」という電話が殺到したのではないかと想像するのですが、そんなことないですか?
老人福祉法32条などにより、必要があるときは、民法上の申立権者以外に市町村長も申立てできると規定されているのです。これは、平成12年に今の成年後見制度が施行された際の重要な改善点です。
決して道弁護士の上げ足を取るつもりはありません。専門家とて、熟知分野と薄い分野があるのは当然です。ただ、行政が知らん顔できない仕組みができていることを、テレビでそれもあんな人気番組でしっかり伝えてもらえれば、市長申立てが進まない地域の行政関係者に刺激になったのでは?などと考えてしまいました。