人数が多すぎ?
新米弁護士へのアンケートが報じられていました。http://www.asahi.com/national/update/0418/OSK200904180091.html?ref=any
弁護士になって良かったと思えないのは、ご本人にとっても国民にとっても残念なことですね。何と言っても、司法試験合格後の司法修習中には、修習のために国庫から一定額の給与を受けることができるほか(「給費制」というらしいです)、国家公務員共済組合法の適用を受けることができて、随分税金が投入されているのですから、晴れて弁護士となった暁にはやはり国民のためにモチベーション高くあっていただきたいものです。
法曹人口が急速に増加することは、社会のために果たして吉?凶?判断しかねます。法的サービスの敷居が低くなるのはいいことですが、以前なら譲り合い、話し合いで解決できたことが、ギスギスしてしまいそう。もちろん、司法書士としては、後顧の憂いを残さないために法的明確性を求めることを奨励すべきなんでしょうが・・・
わたしが合格した平成5年当時は、司法書士試験の合格者は全国で400人強でした。昨年は931人だそうです。正直多いと思います。オリンピックイヤーにだけ司法書士試験を実施すればいいんじゃないかと、同業者が冗談で言ってました。
限られたパイを分け合うことを前提にすれば、司法書士が増え過ぎると、経済的に成り立たない→品位をなげうつ者が出てくる→国民に迷惑・損害という図式が成立してしまうのだと思います。一方、パイを大きくしようと国民のニーズを掘り起こしたのが、電車や新聞広告でおなじみの「過払い返還」、とりわけ完済した方へのアプローチと言えるでしょう。
成年後見分野への注力も、社会貢献しながら司法書士への信頼を高めて業務として確立しようとしているわけですから、パイを大きくしようとする行動ですね。
医師については、合格者を抑制しすぎた結果が今の深刻な医師不足をもたらしたとよく報道されています。
何事にも、適正、ちょうどいい、ほどほどなレベルというものがあるのでしょう。それを見つけ出すのは至難の業なのでしょうから、行き過ぎたと判ったら、すぐに反対に振子を振れば良いと思います。法科大学院の定員を削減する大学も出てきたそうです。身近な法的サービスも大切ですが、衣食足りて礼節を知るという観点も必要では?と、少なくとも同業者を見ていて感じます。個人的には、武士は食わねど高楊枝で行きたいと思ってますけど