任意後見の肝は受任者選択
GW明けに女性税理士向けの任意後見についての講師を承っているので、レジュメ作りをしています。パワーポイントでレジュメを作ったことはあるのですが、この度はパソコンを持ち込んでスライドを映しながら講義をしてみようかと、何を今さらと思われるかも知れませんが、挑戦中です。
任意後見についても、制度発足10年を目前にして知識としてはかなり浸透していますし、何より専門家向けの講義なので、具体的な利用方法などを経験を踏まえて紹介したいと思っています。報道などで伝わるのは、失敗例や紛争例なので、きちんと使えば有益であることを力説しなくては。このままでは、せっかくの良いシステムが危険性だけ強調されて敬遠されかねませんから、決して高齢者の利益とは思えませんしね。
有益な利用方法の根幹となるのは、受任者選択を間違えないことです。
コストについては、自身の財産状況で負担可能かどうか自分で吟味するしかないと思います。負担できない・負担したくないと考えれば、いざとなれば市長申立ての法定後見というセーフティネットがありますから、それに委ねることになるのでしょう。
こうした実態に、任意後見は一定の収入のある人しか利用できない差別的制度だと反発を感じる向きもあるようです。
任意後見を使いたい、でも掛けられるお金はこれだけである、ということなら、ぜひ専門家に相談してみてください。できる限りの工夫を凝らして、要請に応える努力をするでしょう。但し、一見ローコストに見せながら、真っ当に責務を果たさない受任者の事例は報告されていますから、費用優先で受任者を決めることは避けるべきと考えます。