良い嘘ってあるのでしょうか?
「結婚すんねん♪」幾度この日に嘘をついたことでしょう。自虐ネタも、数年前からは自分でも笑えないので止めてしまいましたが、最近熟年結婚が流行りみたいだし、来年ぐらい言ってみようかな?
幼稚園の頃、母が長期入院し、母の実家にきょうだい二人で預けられていました。島根県の田舎町で、父の勤務する企業の工場があり、父は度々出張にかこつけて私たちに会いに来ていました。
祖父の家から保育園に通っていたのですが、父が来ると保育園を休んで、町中に出かけて一緒に過ごします。ある朝、父ときょうだい二人でバスに乗ろうとしていると、登園途中のクラスメイトに出会い「みほちゃん、どこ行くん?」と尋ねられました。子ども心に少しドギマギしたことを覚えています。父は「今日は風邪引いてるから保育園は休みます」という意味の説明をしていました。そしてバスの中で「嘘も方便」と教えられたのです。今でもその時の車中の雰囲気が思い浮かびます。冬の寒い日で薄暗く、灰色のイメージです。でもそれは目に映る風景ではなく、当時のわたしの心中だったのかもしれませんね。
ともかく、必要悪としての嘘もあるのだと、その時初めて知りました。
そうは言っても、嘘を正当化するのは極力最小限に抑えないと、嘘を付くのに慣れっこになってしまいそうです。最近吐いた嘘は、「ううん、帰ってから何も食べてない」(本当はアイスクリームを食べたのに)。目的不明の嘘ですね。言葉にすれば、それが現実になってくれるとでも思っているのかもしれません。質問する方もする方ですけどね。