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2009年4月

努力が水の泡・・・

 GW明けの任意後見制度の講師をパワーポイントを使って!と考えて、スライド作りをしていたのに、主催者の説明によると、会場にプロジェクターはあるのだけれど貸してもらえないそうです。がっくり 土曜日なので、事務局がお休みなことが理由だそう。早めに確認しないわたしも悪いけど、会場にあるのは知ってたので、まさかそんなことがあるとは・・・

 受講者の数が少ないそうなので、本当はパワポ講義のトライアルをしておきたかったんだけど。

 次回は、市民後見人養成講座の講師でしょうか?こちらで試してみますか。実験台にするなとお叱りが来るかも?

 不祥事報道が相次いだことがあり、任意後見契約と任意の財産管理契約との併用については、リーガルサポートを始めとして聊か消極的です。しかし、公証役場によれば、判断能力低下前にも財産管理を頼める財産管理等委任契約のニーズは大変高いそう。

 公証役場としては、専門家として、正しくそして果敢に、必要とされる財産管理契約を利用することを啓蒙して欲しいとのことでした。

包括遺贈の短所とは

 昨日の家族法勉強会で、ある遺言作成の依頼について語り合いました。兄弟が推定相続人なのだけれど、これまで何も助けてくれなかったから、一銭も渡したくない、全て地元の行政に寄付したいと仰っている方だそうです。

 そこで、「全てを市に遺贈する」と遺言すると、包括遺贈となってしまうので債務も引き受けなければならないが、市は受け取るだろうか?という意見が出ました。

 「包括遺贈」とは、遺贈する対象を遺産の全部または一部を割合で示している場合です。例えば「全財産の3分の1を大阪市に遺贈する」という記載です。「○○マンションの513号室をドラえもんに遺贈する」となっていれば、これは「特定遺贈」となり、包括遺贈とは所々で法的性質が異なります。

 包括遺贈の最大の特徴は、「包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する」(民法990条)点です。ここから派生して、包括受遺者が遺産を貰いたくないと考えれば、その放棄は、相続人と同じく家裁への相続放棄の申述によってしなくてはなりません。

 そして、包括受遺者は相続人と同様に、被相続人(遺言者)に債務があれば、それも相続してしまうのです。

 冒頭の、市は包括遺贈を受け取るか?の疑問はここから上がって来たものです。

 確かに、法的に論ずれば(吟ずるのではなく)その懸念はあるのかもしれませんが、現実にこんな遺贈は世にたくさんあるはずだと思われます。多分、行政は貰えるものは喜んで貰うというスタンスではないかな?と予想するのですが。その是非はともかくとして。

 このような問題を避けるために、「大阪市に500万円遺贈する」と特定遺贈にすると、遺産の残りについては、相続人に引き渡さなくてはならず、相続人がいないとなれば、相続財産管理人を選任するなどという重厚な手続きが必要になってしまいます。

 結局のところ、包括遺贈の法的意味を承知した上で、過分な負担を負うことはなさそうだと、受遺者に信用してもらうしかないのだろうと考えています。債務負担のリスクがあると判断するなら、遺贈を放棄してもらうほかないでしょう。執行者に対して、債務がないことを保証せよ、などというのはお門違いだし、執行者にそんな責任はないはずです。

定額給付金の申請書が来ました

 昨夜は寒くて途中で目が覚めて、布団の上に1枚掛けました。あんな時は眠れもしなければ布団から出るのも嫌で、逡巡しますねー。それにしても季節はどこへ行ったのでしょう?四季がなくなったら季語もなくなって、俳句が読めないじゃないですか。

 さて、定額給付金です。自分自身の分はとうに提出済み。1万2000円はそれより前に消費済みです。大阪市は先週あたりからぼちぼち申請書が発送されてるみたいです。

 被後見人の申請書も住民票上の住所に送付されるのだろうから、施設などと連絡を取り合って、と考えていました。健康保険や介護保険に関することは、後見人であるわたしの事務所に送付されるように手続きしていますが、定額給付金はそのような係とは別の担当だろうから。

 現に堺市在住の被後見人については、全て当事務所を届け出ているけれど、定額給付金申請書は施設に送付されましたもの。

 でも、大阪市は気が利くじゃないですか。本日、特養に住所のある被後見人の申請書が当事務所宛てに郵送されて来ましたよ。ちょっと見直しちゃいましたよ。何の名簿を使ってるんでしょうね?早速申請しましょう。

 ところで、知ってる人は知っている「宮」のシン君が麻薬使用?かなりショックです

囲碁を始めた理由

 リーガルサポート研修委員会の慰労会で(任期満了で現委員会は解散します)、支部長から「何で囲碁始めたん?」と繰り返し問われました。

 いつからか、老後の趣味は俳句と囲碁と公言しています。俳句は祖父が俳人だったことが影響しています。短冊が家に飾られいたりしていました。

 囲碁が身近になったのは、任意後見契約を結んだZさんが趣味にしていたことがきっかけです。日曜日のお昼はNHKの囲碁番組を欠かさず観ると仰るのを聞いて、ふーんと思ったのです、確かに良さそうな趣味だと。頭を使うし、お金はかからない、脚が弱くなってもできる、などなど。実際Zさんは90歳まであと数年ですが、とっても頭脳明晰です。

 改めて周囲を見ると、若い頃はマージャンでわたしのミルク代を稼いでいたという噂の父も、老人会の囲碁クラブに行っているし。会社員時代の敬愛する先輩は、土日は碁会所に詰めっぱなしだと言うし。おまけに事務所のすぐ近くに関西棋院という団体の事務所があるではないですか!

 これはもう囲碁に呼ばれたとしか言いようがありません。

 かくして、気になり続けていた「無料囲碁入門講座」に入会したわけであります。

 今週は、同年代らしい女性と親しく言葉を交わすこともできて、もしかして友達ができるかも?と嬉しくなってます。

 次の講座はGW明け。暇なので、一人で碁盤で遊んでみようかと思っています。クライ?

酒呑みの自戒

 昨晩は囲碁教室の後、旧友と立ち飲みワインで待ち合わせ楽しく過ごしたのですが、囲碁で脳フル回転後のワインはかなり効きました~ またまた余計なことを喋ったんじゃないかと心配でもあります。

 そんなわけで、今朝の速報、くさなぎくん公然わいせつ罪で逮捕!と聞いて、少し親しみを覚えてしまいました。でも逮捕はシャレになりませんし、私自身いつも口が滑る程度で済むとは限らないので、お酒をいただき過ぎないよう注意しなくては。

 それにしても昨夜のワイン、全然残ってないです。ワインは翌朝頭が痛いことが多いのに、とってもスッキリしています 事務所近所のダイナーです。8時半頃、超満員でした。人気店です。

目玉焼きにかけるのはマヨネーズ

 ココログではブログネタというのを提供してくれてます。使い方はいまいち知ろうともしていないのですが、今朝「塩、醤油、ソース・・・目玉焼きにかけるのは?」というネタが目についたので、反応してしまいました。

 子供の頃からマヨネーズです。でも決してマヨラーではありません。ごはんにはかけません。そう言えば、大学時代の合宿で、わたしが作った炊き込みご飯に平気でマヨネーズかけて食べてた後輩がいました。

 卵があまり好きではないので、マヨネーズで味を分からなくして食べていたというのがわたしの分析です。当然ですが、ゆで卵もマヨネーズをかけて食べます。マヨネーズも卵でできているというツッコミもあろうかと思いますが、、、

 生卵なんて、だから食べたことがなく、そもそもすき焼きが嫌いなので卵を使うかどうかで悩んだこともないのですが、不惑を過ぎてから、勧められて「卵ごはん」なるものを食べる機会が何度かあり、悪くないな、と感想を持ちました。

 昭和40年代、市場の卵屋さんでは、逆さに置かれた電球に一つ一つ卵をかざして透かして見てからかごに入れて買っていましたよね。もしかしたら、その時に雛になろうとしている黄身を見てしまったのかも?「生卵キケン」と刷り込まれてしまったのです。

業務の一部停止

 ある全国区の司法書士法人が懲戒処分を受けているのですが、奇異に思ったのが、登記業務だけを業務停止されているのです。個人の司法書士であれば、一部だけの停止はあり得ないのですが。

 早速その司法書士法人のウェブサイトを見てみたら、確かに業務案内などから「登記」の文字が一掃されていました。

 法人に限って一部停止の規定があることについて、合理性はあるのでしょうか?

 ブロクで同じ疑問を呈している同業者がいました。http://blog.goo.ne.jp/tks-naito/e/7db8fd1350b62dd02a9456eced3f26d0

人数が多すぎ?

 新米弁護士へのアンケートが報じられていました。http://www.asahi.com/national/update/0418/OSK200904180091.html?ref=any

 弁護士になって良かったと思えないのは、ご本人にとっても国民にとっても残念なことですね。何と言っても、司法試験合格後の司法修習中には、修習のために国庫から一定額の給与を受けることができるほか(「給費制」というらしいです)、国家公務員共済組合法の適用を受けることができて、随分税金が投入されているのですから、晴れて弁護士となった暁にはやはり国民のためにモチベーション高くあっていただきたいものです。

 法曹人口が急速に増加することは、社会のために果たして吉?凶?判断しかねます。法的サービスの敷居が低くなるのはいいことですが、以前なら譲り合い、話し合いで解決できたことが、ギスギスしてしまいそう。もちろん、司法書士としては、後顧の憂いを残さないために法的明確性を求めることを奨励すべきなんでしょうが・・・

 わたしが合格した平成5年当時は、司法書士試験の合格者は全国で400人強でした。昨年は931人だそうです。正直多いと思います。オリンピックイヤーにだけ司法書士試験を実施すればいいんじゃないかと、同業者が冗談で言ってました。

 限られたパイを分け合うことを前提にすれば、司法書士が増え過ぎると、経済的に成り立たない→品位をなげうつ者が出てくる→国民に迷惑・損害という図式が成立してしまうのだと思います。一方、パイを大きくしようと国民のニーズを掘り起こしたのが、電車や新聞広告でおなじみの「過払い返還」、とりわけ完済した方へのアプローチと言えるでしょう。

 成年後見分野への注力も、社会貢献しながら司法書士への信頼を高めて業務として確立しようとしているわけですから、パイを大きくしようとする行動ですね。

 医師については、合格者を抑制しすぎた結果が今の深刻な医師不足をもたらしたとよく報道されています。

 何事にも、適正、ちょうどいい、ほどほどなレベルというものがあるのでしょう。それを見つけ出すのは至難の業なのでしょうから、行き過ぎたと判ったら、すぐに反対に振子を振れば良いと思います。法科大学院の定員を削減する大学も出てきたそうです。身近な法的サービスも大切ですが、衣食足りて礼節を知るという観点も必要では?と、少なくとも同業者を見ていて感じます。個人的には、武士は食わねど高楊枝で行きたいと思ってますけど

脳の血流が・・・

 毎週異なる受講生と打ちます。無料囲碁教室。ちなみ九路盤です。昨日はついに陣地という概念の説明を受けました。石を取ることが目的でなくなったので、面白いなと感じました。

 でも、「あたり」とか「こう」とかまだまだ一目で分からないので、頭をフル回転させてとっても疲れます。

 家ではナンプレをしています。テレビを観ながら、お風呂の中でも。中級になると必死で紙面を眺めて、こちらも頭がぼーっとして来ます。

 被任意後見人(この言葉は法律では使用されていませんのでご注意ください)のDさんを訪問して、「出された食事は作った人の気持ちも考えて、よほど食べられないものでなければ、必ず食べる。それはひいては自分の健康のためにもなる。」という耳の痛い話を聞いていると、物が二重に見えるし、立ち上がるとフラフラふわついて来てしまいました。

 重大な病気?そう言えば朝からフワフワした感じだったなぁ、と思ったのですが、テリー同業者から「囲碁とナンプレのやり過ぎでは?」と指摘があり、かもなぁ、あんなに集中すること最近ないもんなぁ、と少し反省。フワフワを感じながら事務所に戻りましたが、ともかく早く横になりましょう

 Dさんはいつもより名残惜しんでくれて、ホーム敷地を出て一つ目の角まで送って下さいました。腕を組んで歩く私たちの後ろをホームの副支配人が付いて来て、帰り道は援助してくれます。こうして複数の人に適当な距離から見守られて暮らす老後は、資金あってこそ得られるもので、現状では贅沢品と言えるでしょうね。

任意後見の肝は受任者選択

 GW明けに女性税理士向けの任意後見についての講師を承っているので、レジュメ作りをしています。パワーポイントでレジュメを作ったことはあるのですが、この度はパソコンを持ち込んでスライドを映しながら講義をしてみようかと、何を今さらと思われるかも知れませんが、挑戦中です。

 任意後見についても、制度発足10年を目前にして知識としてはかなり浸透していますし、何より専門家向けの講義なので、具体的な利用方法などを経験を踏まえて紹介したいと思っています。報道などで伝わるのは、失敗例や紛争例なので、きちんと使えば有益であることを力説しなくては。このままでは、せっかくの良いシステムが危険性だけ強調されて敬遠されかねませんから、決して高齢者の利益とは思えませんしね。

 有益な利用方法の根幹となるのは、受任者選択を間違えないことです。

 コストについては、自身の財産状況で負担可能かどうか自分で吟味するしかないと思います。負担できない・負担したくないと考えれば、いざとなれば市長申立ての法定後見というセーフティネットがありますから、それに委ねることになるのでしょう。

 こうした実態に、任意後見は一定の収入のある人しか利用できない差別的制度だと反発を感じる向きもあるようです。

 任意後見を使いたい、でも掛けられるお金はこれだけである、ということなら、ぜひ専門家に相談してみてください。できる限りの工夫を凝らして、要請に応える努力をするでしょう。但し、一見ローコストに見せながら、真っ当に責務を果たさない受任者の事例は報告されていますから、費用優先で受任者を決めることは避けるべきと考えます。

電柱看板の営業

 電柱に巻きつける、または張り出す看板の営業の電話が掛かって来ました。

 もちろん電柱を管理する会社なので、電力会社の関連会社のようです。

 「最近は司法書士の先生もいろいろと広告を出して頑張っておられますが・・・」と水を向けられたので、「いや、わたしは節度を持ってやりたいと思ってますので」と答えると、それまでは資料だけでも送りますと言っていたのに、「はぁそれじゃまた」とトーンダウンして電話を切ってしまわれました。

 我が業界はいつまで広告業界のターゲットであり続けるのでしょうか?

 

レッドクリフ PartⅡ

 初日にレイトショーで観てしまいました。結構混んでましたね~。

 トニーレオンの剣舞の場面など、ところどころ冗長さを感じましたが、二部作の運命かもしれません。だからと言って1本にまとめるわけには行かないでしょうし。

 一方、めぐらされた権謀術数についての説明が、わりとあっさりしていて、その点確認するためにもう一度見てみたい気もしました。これも策略なんでしょうか?

 PartⅠ観た直後には「三国志」を読もうと意気込んでいたのですが未着手です。読みやすい本、お勧めいただけませんか?

 ところで、4番が打っても打っても勝てない阪神。チーム作りに戦略がなかったんでしょうかね?しばらくは雌伏する覚悟が必要では?

 

早くも棋風が・・・?

 二回目の囲碁教室に行って来ました。まだ正式なルールは教えられておらず、まずは石を取るところから始まっています。昨日も1時間強石取りゲームをして脳みそはクタクタです。お相手からは「えー?なぜそこに?」と言われることしばしば。先週のお相手からも「奇想天外やね」と二度言われました。要は先があまり読めないので、無策なのです。頭の中が可視化されてる感じで恐ろしいけど、良いカッコしても無駄な分、分を弁えられてこれもいいかも。

 でも、わたしなりに言い分もあります。

 他のところに打っても、さして攻めにならず、どうしても防戦しなければならないわけでもないのなら、何か新しい展開はないかな?と思った結果なのです。

 講師に教えられた「取られにくい」打ち方をしていてもゲームは膠着するので、どうしても冒険がしたくなってしまうようで・・・これを棋風というのかしら?父が「碁は性格出るよ」と言ってました。

 昨日の石取りゲームでは、その冒険が「飛んで火に入る夏の虫」だったことがほとんどなんですけどね。人生はそうならないようにしたいものです。 

「あたし?パス」

 新年度が明け、3月末決算の会社やら法人やらは定時総会の開催準備で大忙しです。リーガルサポートおおさかも来月の支部総会に向けて会議が頻繁にあります。資料作成の事務局も大変そうです。

 昨日の会議では、支部総会及びそれに引き続いて催される懇親会それぞれの、開会挨拶・閉会挨拶の担当者を決めました。副支部長が6名いるところ、挨拶が必要なのは4回(4名)。誰がどこをという話になり、「早い者勝ち」と誰かが声を上げ、「梶田さんは何にする?」とレディーファーストか最初に尋ねられたので、「あたし?パス」と返答したら、えらく笑われてしまいました。6-4=2名は挨拶の任を逃れられるのですから、間違ってませんよね?

 何とも和やかな会議の風景ですが、これも少人数だからと思われます。20人を超える会議の時は軽口を発する人もなく、時間に追われて粛々と議事が進みあまり楽しくありません。

桜の森の満開の下

 坂口安吾の怪奇譚ですね。タイトルが大好きです。三つも「の」を重ねた不安定さがいいのです。あらすじは、ネットで検索してもうっすら思い出した程度。狂気の話、って感じでしょうか。野田秀樹の「贋作桜の森の満開の下」も観ました。やはりタイトルの魅力でしょうか。

 桜に惹かれる気持ちはとっても分かります。でも桜の根っこを踏んづけて、煙を上げてバーベキューを焼く気持ちは分かりません。それじゃぁ、桜の儚さを感じられないよ。缶ビールをケースごと持ち込んでおられますが、そうまでして「花見」をしなくていいじゃん。人のすなるレジャーはしなくちゃ損々、というさもしさを感じます。

 花見のマナー崩壊は年々エスカレートするようです。西宮夙川沿いはついに西宮市がパトロールを実施したそう。どこまで管理されれば気が済むんだか?

ついに・・・

 かねてより過剰な司法書士広告について苦い思いをこのブログでも記事にして来ましたが、こんな報道がなされました。

http://mainichi.jp/select/today/news/20090406k0000e040008000c.html?link_id=RTH05

 あんなに大量の広告費を賄うのは、真っ当に業務を行っていてできるとは思えないのです。

 もちろん広告によって長い債務者としての生活から脱け出す機会を得られた方もいるでしょうけど。

 先日は、弁護士に非常に多額の着手金を支払いながら、何がどう進捗しているのか判らないとこぼす男性の相談を受けました。お金の使い道も含めて説明を求めればいいのに、それで納得いかない点があればさらに何らかの処置を取るしかないだろうし、と思うのですが、お金を払って依頼している立場でありながら弁護士に対して遠慮があるようです。

 弁護士にしても司法書士にしても、不明な点があればどんどん説明を求めてください。それに対して親切な応対がないとすれば、説明責任を果たさない専門家です。

任意後見監督人の役割

 リーガルサポートの仲間から質問の電話がありました。

 この度任意後見監督人に選任されたらしいのですが、任意後見人(本人にとっての甥だそうです)が銀行に届出に出向いたら、任意後見監督人と共に届け出るように求められたので、おかしいのではないか?ということでした。 

 私自身、効力発生した任意後見契約は1件だけで監督人は弁護士ですが、いくつもある銀行へ監督人と共に出向いたことはありません。ちなみに繰り返しになりますが、任意後見契約はあくまでも予約であって、契約当事者である本人の判断能力が低下したら、家庭裁判所に任意後見監督人を選任してもらい、初めて契約の効力が生ずるのです。

 「任意後見契約に関する法律」第7条に任意後見監督人の職務が規定されており、要は任意後見人の仕事をチェック監督することがその責務です。緊急時や本人と任意後見人とが利益相反になる場合に、本人の代理人として取引の相手方と直接接することがあっても、通常は表には出ることはありません。

 先の質問者は、銀行に法的根拠を示すよう求める、と言っていました。どのような結末になるのでしょうか。

どうやって任意後見人を探しましょうか?

 昨日の新聞に、大阪弁護士会とりそな銀行が、銀行の顧客で成年後見人が必要な人を大阪弁護士会へ取り次ぐ提携をしたとの記事が載っていました。おそらく任意後見のことだと思われます。

 リーガルサポートへも、銀行から、顧客に任意後見契約を勧めたいので、司法書士を紹介して欲しいという相談はあります。こういう経緯で巡り合った方との契約で気をつけなくてはならないのは、紹介者主導に陥らないこと。あくまでも、ご本人のニーズにのみ耳を傾けて事を進めて行かなくてはなりません。

 銀行から「早く契約してください」とせっつかれた同業者もいると聞いています。言語道断ですよね。

 銀行も、このような仲介をするのであれば、制度の理念などをしっかり学んでいただきたいものです。

 さて、そこでどうやって探せば良いか?ですけども、答えはありません。リーガルサポートへ相談いただければ、地域の会員を紹介しますが、個人的には近ければ良いとも考えていません。ともかく時間的な余裕を持って、信頼おける人と出会うまで妥協しないことをお勧めします。リーガルサポートや弁護士会などから紹介されても、ピンと来なければ断るべきです。一時的な付き合いではないのですから、しっくり来ないと後が大変です。

 アドバイスとしては、考える時間を与えずに、契約を推し進めようとする人や法人は避けた方が良いと思われます。自己決定の尊重という、成年後見制度の理念から逸脱していますから。

 一方で経験者にこだわることはないと考えます。歴史の浅い制度なので経験者はまだ数少ないのが実情です。熱意と誠意があって、経験不足をフォローするバックアップ体制があれば、初めての人に任せても良いと思います。わたしも、Bさんと契約した時は未経験者でした。

会社の誕生日

 年度初めの昨日、2件の株式会社設立登記を申請しました。

 会社法第911条で「株式会社の設立の登記は、その本店所在地において、(中略)しなければならない」とされており、第908条で「この法律の規定により登記すべき事項は、登記後でなければ、これをもって善意の第三者に対抗することができない。」と定められているので、結局のところ、会社を設立した=設立登記をした、ということになります。

 で、いつが設立登記をした日になるのかと言えば、「設立登記を申請した日」なのです。よって、会社の誕生日=設立登記を申請した日となり、昨日などはキリが良いので設立には好まれる日なのです。

 では、1月1日も多いのではないか、と思われるでしょうか?1月1日が設立日の会社は皆無だと思われます。法務局が休みなので登記申請ができないからです。

 記念日や六曜、または信頼する占い師の言などをもとに、「この日に申請してください」と希望されても、土日のため希望に添えないこともこれまで何度かありました。

 そんなわけで、不動産登記の申請は、お金の移動との関係で必ず申請日を守らなければならない場合がありますが、理由は違っても、会社の設立も申請日が大切な登記申請となります。

バナー広告

 大阪市のホームページにバナー広告を出しました。今日から一年間です。

 当然トップページではありません。そんな費用は出せませんから。サブトップ「市民の方へ」から、さらにカテゴリーページ「高齢者支援」へ行くと、下の方でペコペコと動いています。たぷこさんのご尽力により、小さなボタンだけど、他所さんよりよく考えて作られています。

 「成年後見のことなら」「ホミック司法事務所」です。バナーボタンに相応しいホームページ作りと、何より事務所作り、新年度上半期の目標としましょうか。

良い嘘ってあるのでしょうか?

 「結婚すんねん♪」幾度この日に嘘をついたことでしょう。自虐ネタも、数年前からは自分でも笑えないので止めてしまいましたが、最近熟年結婚が流行りみたいだし、来年ぐらい言ってみようかな?

 幼稚園の頃、母が長期入院し、母の実家にきょうだい二人で預けられていました。島根県の田舎町で、父の勤務する企業の工場があり、父は度々出張にかこつけて私たちに会いに来ていました。

 祖父の家から保育園に通っていたのですが、父が来ると保育園を休んで、町中に出かけて一緒に過ごします。ある朝、父ときょうだい二人でバスに乗ろうとしていると、登園途中のクラスメイトに出会い「みほちゃん、どこ行くん?」と尋ねられました。子ども心に少しドギマギしたことを覚えています。父は「今日は風邪引いてるから保育園は休みます」という意味の説明をしていました。そしてバスの中で「嘘も方便」と教えられたのです。今でもその時の車中の雰囲気が思い浮かびます。冬の寒い日で薄暗く、灰色のイメージです。でもそれは目に映る風景ではなく、当時のわたしの心中だったのかもしれませんね。

 ともかく、必要悪としての嘘もあるのだと、その時初めて知りました。

 そうは言っても、嘘を正当化するのは極力最小限に抑えないと、嘘を付くのに慣れっこになってしまいそうです。最近吐いた嘘は、「ううん、帰ってから何も食べてない」(本当はアイスクリームを食べたのに)。目的不明の嘘ですね。言葉にすれば、それが現実になってくれるとでも思っているのかもしれません。質問する方もする方ですけどね。

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