介護認定調査が変わるらしい
被後見人Yさんを訪ねる道すがら、その施設の副支配人にばったり出くわし立ち話をしました。この副支配人は元看護師だそうで、施設の都合よりも利用者の暮らしを思ってくれていて、いつも頼りにしています。
介護認定調査の基準が変わるということで研修に行って来たら、介護度の認定が従来よりもさらに厳しくなって、極端な場合は、要介護5の方が3になってしまうケースもあり得るとのこと。例えば、胃ろうを造っている方はこれまで食事は「全介助」だったものが、新基準では「自立」になるそうです。国は、できるだけ介護度を下げて、高齢者を在宅に戻そうとしているけれど、戻りたくても戻れないケースがほとんどなのに、と嘆いておられました。
介護付き施設の場合、介護度が低くなると当然介護報酬も下がり、入所者にとっては一見有難い変化かも知れません。施設側にしてみれば、見て見ぬふりはなかなかできないでしょうから、少ない報酬でこれまでと同じサービスを提供することになって負担が増大することになるのでは?と懸念します。待遇が悪いために職員の離職率が高く、常に人不足の状況は入所者にとっても喜ばしいことではありません。
もちろん、最終的には介護保険料引上げ、もしくは福祉目的税の話に繋がって行くわけでしょうけれど。仕事をしてもらったらコストが発生するのは当然なわけですから、そのコストの負担の割り振りの問題だと思います。良質の介護サービスがもっと必要なのです。誰がそのお金を負担するのかと言えば、余裕のある方から多めに出していただきたい、ということになるでしょう。
介護保険制度はややこしいし硬直的な部分があって(保険の理念からすれば当然なのでしょうが)、高齢者で正しく理解している方はなかなかいないと思います。わたしも大枠を分かったつもりになっているだけです。介護度が低くなって、これまで受けていた介護サービスが自費負担になったりしたら、その不満のはけ口はサービス事業者に向かいがちなように見受けられます。良心的な事業者ほど辛いのではないかと、お節介にも慮ったりしてしまいます。