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読書感想文

 お盆休みに入る前に所長から、事務所で回そうと思っていると「プロ法律家のクレーマー対応術」という新書本を借りましたので今回はこの本の感想です。

 最近、産地偽装・原材料偽装・賞味期限の書換え等、一般消費者に不安を与える事件が連日のように報道されています。その結果消費者庁の設置や、国民全体としての消費者意識の高まりがもたらされました。これは企業と消費者の対等な関係を作り国民の安全な生活を守る上でとても大きな成果だったと言えます。

 その反面、過剰な権利意識によって明らかに理不尽な要求を企業側に突きつけたり、消費者の声を真摯に受け止めようとする企業側に漬け込んで不当な要求をしたりする、一部の悪質な消費者を増加させたという事実もあります。そういったいわゆるクレーマーがいるために、彼らに対応する役割の人々が疲弊し、本当に救済されるべき消費者が後回しにされるのではせっかく正常になりつつあった企業と消費者の関係がまたしても破壊されてしまいます。

 本書は、悪質クレーマーと一般消費者の境界線を明示し、その対応策とどの部分から法律家などの専門家に介入を依頼するのが良いかが書かれています。法律家が介入してくると今度は自分が何らかの法的責任を負わされる可能性が出てくると考え、クレーマー側も慎重にならざるを得なくなります。結果として、平行線だった話合いに解決の糸口が見つかるようです。

 テレビ等でどう考えても理屈に合わないことを言っている人間に、必死に頭を下げている企業担当者を見ているといたたまれない気持ちになっていましたが、こういう場面で第三者として法律家が介入することの意味は本当に大きいのだなと感銘を受けました。

 ただ、金銭を得ることを目的とするクレーマーにしても、性格的・精神的な問題からクレーマーになる人にしても、悪質クレーマーが生まれる背景になんだか殺伐とした現代日本の姿が浮き彫りになっている気がします。大声で他人を罵ったり脅迫まがいの苦情を言ったりすることは恥ずべき行為であると私は思うのですが

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