「遺贈」の際の登録免許税
不動産の相続登記の際の登録免許税は、固定資産評価額に対して1000分の4の税率です。一方、「遺贈」による登記の場合は、税率は1000分の20になるのが原則です。
昨日の日経新聞に、上記の通りだから遺言を作成する際に注意が必要、という公証人による記事が掲載されていました。うっかり相続人に対して不動産を遺したくて「遺贈する」と書くと、登記の際の費用負担が増えてしまいますよ、というアドバイスです。ところが、これは数年前までは正しかったのですが、今は変更されています。相続人に対して(もちろん戸籍で証明する必要はあります)不動産を「遺贈する」と遺言に書かれている場合には、「相続」と同様に1000分の4の税率を適用してよいということになっています。(相続人に対して「遺贈」という概念があること自体に違和感を感じる方もあるかもしれませんが、民法はそれを前提にしています)
平成15年の変更なのですが、登記を生業にしている司法書士にも浸透しきっているとは言い難いです。ですから公証人が従前の知識しか持ち合わせていなっかたことは致し方ないのかもしれませんが、全国紙でも、提出された原稿の裏を取ったりはしないものだということなのですね。
相続人ではなく第三者への「遺贈」であれば、当然1000分の20の税率です。第三者へは「遺贈」しかあり得ないわけですが。