自分のこととして考えてみる
知的障害の女性の保佐人をしています。その関係もあって、他にも知的障害の方の債務問題などご相談を受けたことがあります。クラスメートに障害のある子がいたこともありますが、大人になっては全く接する機会がなかったところ、何名かの方々とじっくりとお話をすることになり、障害に関して少しは理解できてきたのではと感じています。
八尾で、授産施設に通う知的障害者が子供を歩道橋から投げ落とすという事件が起こりました。朝のニュース番組でキャスターが、「この容疑者は過去にも幼児を連れ回すなどして実刑を受けたこともあるのに。こんなことが起こってからでは遅いのではないか?皆さん自分のことと思って考えてみてください」と訴えていました。この趣旨は、不条理に怖い思いをして大怪我を負った子ども自身、またはその親御さんの身になって考えてみてということと受け取れました。確かにひどい事件であり、容疑者を庇う気持ちはありません。しかし、自分の子供が障害を持っていたら、ということも想像してみて欲しいと思います。家族だけで抱え込むことはすべきでないと思われませんか?このような事件を未然に防ぎ、かつ障害のある人も社会で普通に暮らせる、それは望むべくもないことなのか、どこかに答えがあるのか、全く分からないのですが、努力を忘れた社会は嫌だなと思います。