過払い請求今昔
あー、とっても久しぶりになってしまいました。何度かお訪ねいただいて『チッ、また書いてないわ』とがっかりしていただいた方もあるかも・・・・どうか見限らないで下さいねー。
貸金業規制の問題も一服した感がありますが、最近では「現状返済に困窮しているわけではないけれど、どうやら借入れ残高が減ったり、あわよくばお金が返ってくることもあるらしい」と、我々の事務所のドアを叩く方が増えてきました。一年前には考えられなかったことですから、マスコミ報道の影響力には改めて脱帽します。これまでも、貸金業者からお金が返ってくる(過払い返還)ことはありましたが、あくまでも返済に行き詰まって「破産」や「分割返済」の相談でお越しになった方が、取引期間が大変に長いため、ご本人の予想に反して「過払い返還できた」というケースで、最初から「過払いやってますか?」と相談に来られる方はありませんでした。
先日も、夕方のニュース番組で貸金問題に詳しいとされるジャーナリストが「過払いは、ササッと書類書けばできるようですから」と語っていたそうなのですが(わたしが見たわけじゃなくテリー同業者情報です)、まぁそこまで簡単とは言えないまでも、4、5年前から比べると格段に返還請求は容易になりました。長い取引があって返済しすぎているであろう、となると、まずこれまでの貸金業者との取引履歴(借りたり返したりした経緯)を開示してもらわなくては、過払い金を算出するための再計算(利息制限法の利息に引き直して計算する)ができません。が、以前はなかなか開示請求に応じてもらえず、結局こちら側がそれなりの資料、例えば契約書やATM機で返済した際の伝票などを保有していないと諦めざるを得ないのが実情でした。しかし多くの弁護士や司法書士が裁判を通して粘り強く開示を求め続け、ついに最高裁で「貸金業者には取引履歴を開示する義務がある」と判断されるに至ったのです。ここへ到達するまでの先人の努力には、本当に頭が下がります。
昭和の頃から真面目にコツコツと返済を続けて、数社合わせて500万円以上の過払い返還を受けたケースも当事務所にはあります。世間では1000万円を超える話もあるようです。貸金業者が、過払いに備えて引当金を増やしているという新聞記事も納得できます。