家裁へ保佐開始申立に行きました。申立は誰でもできるものではなく、後見の保護が必要とされる方の、配偶者・四親等内の親族或いは本人と民法に規定されています。例外的に市町村長にも申立権があるのですが、これについては、初めは及び腰だった市町村も手慣れて来て積極的な姿勢に変化したところもあれば、未だ他人事のような態勢のところもあるという現状です。
「この人に後見制度が必要だ」となった時、まず一番に考えなくてはならないのは、「誰が申立人になるか」という点です。判断能力の衰えの程度が軽い「補助」「保佐」であれば本人による申立でも良いのですが、「後見」となると、「自分で財産管理ができない能力レベルだが、後見開始の申立をする能力はある」ということになり、矛盾している、整合性に欠ける、と見なされるおそれもあるのです。
というわけで、「後見」の本人申立はドキドキものになります。「申立する能力」と「財産管理能力」は同じではない、とはっきり言い切ってくれる家裁調査官もいれば、非常に慎重な考え方をする調査官もいるようですので、当たり外れの部分もあります。(これは普通の裁判でもあることでいちいち嘆くようなことでもなく、相手の考え方を知り、こちらの主張を理解してもらうために最善を尽くすしかありません)ただ、「後見」か「保佐」かどちらを適用するのが妥当か判断が微妙な場合は、本人申立の矛盾を指摘されるリスクを避け、「保佐」で進めることが多いです。もちろん、親族に申立に協力してくれる人がいれば何ら問題はありません。
家裁における本人調査は約30分。お年寄りにはなかなか重労働です。この点もう少し負担が軽くならないか、といつも思います。集中力もなくなってしまいます。まぁその様子も調査の対象なのかもしれませんね。