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2006年9月

毎日新聞の続報

 リーガルサポート社員の不適切な報酬受領について、毎日新聞で続報がなされています。

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20060928k0000m040150000c.html

 単純に制度の概要を伝えるだけでなく、このように実態に踏み込んだ報道がされるのも、成年後見制度施行から6年経って社会に浸透したからこそなのでしょう。報道直後はショック状態でしたが、今は肯定的に受け止めています。先日も、ある社会福祉協議会の方から「皆さん地道にやってはるのにねぇ」と慰めていただき、皆が頑張ってきたことを見てくれている人もいると勇気づけられました。

 昨日は家族法研究会で「死後懐胎子の認知請求事件」の判例がテーマに取り上げられました。人工生殖の技術は世論の支持を待つことなく突き進んでいる印象です。「子供が欲しい」と思うのは自然の摂理だからと、技術の開発と利用を肯定する向きもあるようですが、技術を借りなければ子供ができないという状況もまた自然の摂理として受け入れるべきではないかというのがわたしの意見です。

 この事件は、死んだ夫の凍結精子を使った事例です。その子の福祉を最重視すれば、認知を認めて戸籍の父の欄を埋められるようにするのも一法でしょう。しかし、本人が亡くなっているのに精子だけが独り歩きするなんて!法律の理解というより死生観が表れるテーマでした。皆さんはどう思われますか?

被後見人の不動産

 わたしが後見人を務めるSさんは自宅を所有されていますが、もう数年前に施設に入ってしまわれ、自宅復帰の可能性はありません。空き家を見て、いくつもの不動産業者から「売り物ですか?」と電話がかかって来ます。何か連絡事項が生じた時のために、玄関に当事務所の連絡先を掲げているのです。こちらが後見人と知るや、面倒臭さを嗅ぎ取るのか、「また売られる時は一声掛けてください」との伝言で終わるのですが。

 先日は、同業者の大先輩から電話がありました。懇意にしている不動産屋がその自宅に興味があるそうで、「またよろしく」とのこと。ついでに「現金化した方が本人のためですわな」というようなことも仰り、ちょっとムッとしてしまいました。『本人にとって何が利益かはわたしが決めることです』と言いたかったけど、無闇に事を荒立てるのも大人気ないかと、っていましたが。我々司法書士は不動産登記に絡んで、何かと不動産業者の方を向いて仕事をしてしまいがちですが、後見人が取るべきスタンスは当然また別物。特に法定後見はご本人の意思表示が皆無の場合がありますから、ついつい周囲の意向に流されやすいので要注意です。

毎日新聞報道

 昨日は、隣のビルに事務所があって付き合いもある弁護士が横領容疑で逮捕された件で衝撃を受けていたら、今日は何と我々リーガルサポートの社員の不透明な事務に対する疑惑の報道がなされていて、かなり沈んでいます。

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20060914ddm041040126000c.html

 今まで皆、無私の精神で(もちろん将来は自らの利益になると信じて)活動してきたのに、一人の無思慮な近視眼的な行動で水泡に帰してしまう。わたしはリーガルサポートを代表する立場にありませんが、法人としての自浄能力を社会に対して示さなくては存続さえ危ういと考えています。報道されている司法書士の事務内容を詳細には知りませんが、内部で伝えられているところでも妥当ではなかったようです。せっかくここまで培ったものがあったのに、悔しいとしか言いようがなく、何だかやる気が失せてしまいました。18日に「遺言と成年後見説明会」もあるというのに。かなり広報活動も上手く行っていたのですが、残念です。できることと言えば、自らが一層襟を正すこと?「司法書士」で十把一絡げに評価されるのがつくづく嫌になりました。私自身、他の職能に関してそのような狭量な気持ちを持たないよう自戒します。

遺言と成年後見説明会

 今月18日(敬老の日)に大阪司法書士会館で、リーガルサポート大阪支部主催の標記イベントが開催されます。現在の大阪市営地下鉄車両内「沿線案内」の筆頭に掲載されているので、お目に留まった方もいらっしゃるかも。このようなイベント事は、わたしが委員長を務める「企画研修委員会」の担当なので、人の入りが気になります。宜しければ足をお運び下さい。説明会後、先着16組に限り個別相談会も行います。

 我々が催すイベントは予算が限られているし営利目的ではないので、当然のことながら有償の広報はできません。無料のツールを駆使するのですが、そういうのは競争も激しくてなかなか取り上げてもらうのも難しく、ヤキモキします。来場者が少ないと、せっかく準備に骨を折ったのにがっかりだし、逆に会場定員を上回ったりするとそれはそれで胸が痛い、というわけで18日よ、早く来い、という心境です。

認定証明書、届く!

今日、司法書士会から『重要』と朱書された封筒が届きました。一瞬、未納になっている会館維持○○金の督促状~?!かと思いましたが、ボスの「認定証ちゃう?」という鶴の一声(?)で、少しホッとして封筒を開けてみると、まさしくそのとおりでした。

新人研修の頃から、認定試験は絶対に受かれ!と幹部の先生方より口をすっぱくして言われていましたし、司法書士会で何度も勉強会をしていただいていました。認定がなかったらこれからは死活問題・・・と言わんばかりの雰囲気で、その真偽ははどうだかわかりませんが、使い勝手のよい武器をひとつ手に入れたのは確かなようです。これから有効に使っていけたらと思います。

任意後見制度の悪用

 任意後見契約を悪用して、お年寄りの財産を狙った事件が報道されています。http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060905k0000m040128000c.html 成年後見制度の法改正の際、当初任意後見の採用は見送られかけていたところを、リーガルサポートなどの主張が認められ、自分で自分の老後を選択する道が開けたというのに。こんな輩が跋扈しているなんて、許しがたい。しかし、正直に言ってこの事件は氷山の一角で、関係者の間では最近不穏な事例が口の端に上ることが多くなっています。

 最も危険な例は、お年寄りに遺言を書かせ、その中で、任意後見受任者自身もしくはその関係者や関係団体に遺贈させるものです。これは、即座に違法とは言えないものの、どこまでお年寄りの真意に発するものなのか、立場の優位性を利用して強要していないか、非常に問題が多いと考えられます。ましてや、それが専門家を標榜する者の下で行われていたとしたら、開いた口が塞がりません。

 任意後見制度そのものは、自己決定の尊重を最大に具現化できる優れた制度です。それを、欲に目のくらんだ奴等の手で汚されて、腹が立ってしょうがありません。どうぞ、任意後見の利用を考える方は、相手を良く吟味して下さい。耳さわりの良い言葉に惑わされないで下さい。ようやく成年後見制度の普及も端緒について、その一端を担ってきた自負のあるわたし達も達成感を感じ始めたところなのに、悔しい限りです。

ナメクジのように

 新人サラリーマンの頃、一つの案件を、普通なら手離すような状況になってもしぶとく諦めずに追い続けて成約にまで持って行った時、上司から「なめくじのような奴やなぁ」と呆れられました。基本的に口の悪い人だったので、それも誉め言葉と受け止めました。この上司が自分の辞典を作ったことがあったのですが、「このカス~」の意味が「可愛い奴」になっていたことを覚えています。タイガースも、今日はゲーム差縮められたし、ナメクジ精神でこの終盤に死力を尽くしてもらいたいものです。

 しかし、ナメクジがしつこさの代名詞に適当でしょうか?タコの吸盤、とかの方が良さそうな気がしますが。

ピンキー、認定司法書士仲間入り

 今日は、第五回目となる認定司法書士の考査の合格発表でした。認定司法書士は通称で、要は簡易裁判所に関する裁判事務の代理権を有する司法書士ということです。昨秋司法書士試験合格のピンキーちゃんは、この春にさらに認定司法書士試験を受けていたのです。午後4時30分きっちりに法務省のHPに合格者番号が掲載され、ピンキーの番号が確認されました。合格率約62%、狂喜乱舞することはありませんが、まぁ目出度いことに変わりないので、ご近所の洋菓子の殿堂「五感」でケーキを買ってお祝いいたします♪

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